第6部第2話


ライバルとのバトルは基本的に、次の5つだ。



SPバトル(スピリット・ポイント・バトル)

ドライバーの精神力をSP(スピリットポイント)として表わし、画面上部に表示されたSPゲージの残量でバトルの勝敗を決定するバトルシステム。

首都高バトルシリーズのような周回路でのバトルではないため、明確なゴール地点が存在する。

相手のSPをゼロにするか、相手より先にゴールできれば勝利となる。50m以上差が開くと後続車側のSPが減りはじめ、

車間が開くほど減るスピードも速くなる。また壁や敵車にヒットさせてしまうとSPが一気に減少してしまう。



TAバトル(タイム・アタック・バトル)

ライバルのレコードタイムより速いタイムでのゴールを目指すバトルシステム。ライバルはゴースト表示となるため、

理想のライン、理想の走りを追求できる。壁ヒットに対するペナルティーもないので、

思い切りのいい走りでライバルを超える最速の走りを実現したい。



CAバトル(コーナリング・アーティスト・バトル)

コース上に設置された判定区間でドリフトを行い、ドリフト時の進入速度・角度・ドリフト時間などから算出される

CAポイントの合計値を相手と競うバトルシステム。判定区間内で壁にヒットさせてしまうとその時点で計測が中断され、

その区間で得たポイントは剥奪されてしまう。また今年からはCAポイントだけでなく、走行タイムにも制限が設けられた。

ライバルとのバトルでは、TAバトル並のシビアなタイムを要求される事もある。



LFバトル(ラスト・アンド・ファースト・バトル)

ライバルがプレイヤーから先行した状態でスタートし、ゴールまでの速さを競うバトルシステム。バトル中に100m以上の差をつける事でも勝利できる。

バトル中にライバルに追いつけず150m以上離されるか、先にゴールされると負けとなる。

なお、後述するFLバトルでもいえる事だが、バトル開始時の車間距離は3m程度で、実質的に並走スタートと大差は無い。



FLバトル(ファースト・アンド・ラスト・バトル)

LFバトルとは逆に、プレイヤーがライバルに先行してスタートするバトルシステム。

スタート後に200m以上の差をつけるか、ライバルより先にゴールするのが勝利条件となる。

ライバルに追い抜かれてもペナルティはないが、100m以上離されてしまうと敗北となる。




続いて昼間のオフィシャルレースについての詳細はこうだ。竜介はプロレーサーとして扱われているため、

新車購入・チューニングなどの費用は昼のカテゴリーレースで入手する事になる(ライバルとのバトルでも資金稼ぎは可能だが、効率は大きく劣る)。

カテゴリーレースにはレベルが設定されており、竜介のレベルが低いと参戦できない。

レベルを上げるにはレースに優勝し「C-EXP」を入手する必要がある。前作までのような参加制限は無く、任意のレースに何度でも出走可能。



ノーマルレース

カテゴリーレースの基本となる種目で、TAカップ・CAカップ・TACカップの3つがある。

設定上は「パドックにいる5人のライバルとの勝負」となっており、全てのレースには1位から6位までのレコードタイムが設定されている。

各レコードを上回るとそれに応じた賞金が、優勝するとさらにC-EXPが入手できる。



アドバンスレース

日付や天候など、特定の条件がそろうと開催される種目。

出場車種に規定を設けているのが特徴(4WD限定、NA限定など)。

内容はノーマルレースに準ずるが、優勝するとC-EXPに加え「プライズ」という記念品を入手できる。



ジムカーナ

パイロンの置かれたフラットなコースで、指示どおりのルートを走る種目。TAアタック・CAアタックに挑戦できる。

10種類のコースがあり、C-EXPに関係なく最初から全てのコースに挑戦することが可能(ただしC-EXPも入手できない)。

CAアタックではコース全体が判定区間となり、ドリフトを維持している間は常にCAポイントが加算される。

また、クラッシュ等でポイントを剥奪される事もなく、通常のCAアタックと比べクリアが容易になっている。




コースは友也が居た1年前のコースに加え、全長の短いショートコースが8種類追加された。

ロングコース

4種類のコースが追加されたが、第1いろは坂が削除された(第2いろは坂は「日光」として健在)。

ステージのスラッシャー(各コースのボス)を倒すと、次のステージの峠が走行可能となる。


ステージ1

箱根

広島(新規)


ステージ2

榛名

赤城

裏六甲(新規)


ステージ3

表六甲

志賀草津(新規)

日光


ステージ4

蔵王

阿蘇


ファイナルステージ

北海道(新規、全グラベルコース)



ショートコース

昼、それも晴れの日のみ走行できる特殊なコース。カテゴリーレースでは使用されない。


箱根七曲

碓氷

妙義

八方ヶ原

横浜

雪の大谷

霧ヶ峰

大垂水



この19コースを舞台に、竜介の戦いは繰り広げられるのだ。元ラリードライバーとして、意地を見せられるのか?

峠の走り屋のレベルは年々上がってきているらしく、中にはプロレーサー並みのやつらも数人いるらしい。

まずはこの東京から一番近い、箱根からだ。

箱根ならアクセラでも十分通用できそうだ。それなりにチューンは必要なのだが…。



というわけで、竜介はまず箱根へと向かった。

カテゴリーレースはすべてCAバトル。FFのアクセラでCAバトルというのは難しい。竜介はラリーでFF車に乗ったことがないのだ。

4WDばかり乗ってきたため、FFを扱うには少しばかり不安が募る。

(まぁ、まずはチャレンジか)


スタート地点にアクセラを停め、合図とともにスタート。

まずは全開でコーナーへ向かって加速。少しフットブレーキで減速し、左にハンドルを切る。

車が曲がりだしたらクラッチを切ってサイドブレーキを引き、引いた状態を長く、下ろした状態を短く

した間隔で連続して引き、アクセルを全開にしたままクラッチを小刻みに切っては繋ぎを繰り返す。

「ラリークイック」と呼ばれる高速フェイントも使い、少しでもドリフト状態に持って行けるようにする竜介。


それでもまだFFドリフトは初めてなため、結果は4位という結果に終わった。

(やはり難しいな。これは緒美と同じように特訓が必要になりそうだ)

一応入賞金はもらったので、まずは一安心…といったところであろうか。

暇人ニートとなってしまった竜介にとっては、毎日のレースが生きるか死ぬかの瀬戸際なのだ。プロラリードライバーとして培った腕を

最大限に発揮しないと、生きてはいけない。


いまさらになってヴィヴィオを買えばよかったかな、とちょっぴり後悔もするのであった。


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