A Solitary Battle High Speed Stage第2話
カラリパヤットは南のインドで発祥した、世界でも最も古いと言われる武術である。
すでに4世紀の時点ではもう武術の訓練としてカラリパヤットが行われていたと言う説もあるし、
今の空手や少林寺拳法、それから合気道にカンフー、古式ムエタイにサバットなど、それこそ
本当に全ての格闘技の基礎となったテクニックがたっぷりと詰め込まれているのがカラリパヤットなのである。
実際の話、素手の格闘術だけを見ても新体操のようにアクロバティックな動きをする時もあれば
パンチやキック等の打撃もあるし、目潰しや金的等のえぐいバーリトゥードテクニックも存在している他に
拘束技や投げ技等の関節技系統も存在している。
古式ムエタイの格闘術はカラリパヤットの「パーフユッダ」から来ているとされているし、フランスの格闘技の
サバットのキックはカラリパヤットのキックをモデルにしたとされている。
カラリパヤット自体は大きく分けて北の流派、南の流派、そして中間の流派と3つに分かれているとされる。
日本の空手道場と同じ様に色々な流派があるのはカラリパヤットでも同じ事だ。
北のスタイルは型の訓練や身体作りを重視する伝統的なスタイルであり、この流派においては主にポーズの
練習を集中的にする事によってしっかりとしたフォーム、それから全身の筋力トレーニング、そしてしなやかな
身体作りをする事が出来るとされている。その他にもこのスタイルにおいては世界各地でショーを行う事も
多いので、必然的にしっかりとしたフォームが求められる事になる。
トレーニング方法としてはまずポーズをしっかりトレーニングして身体作りをしなければいけないので、ポーズが
しっかり出来る様になるまでは基本的に次のステップに進む事が出来ない。 そのポーズのトレーニングで身体作りを
終えたら、次はいきなり武器のトレーニングに入る。これは2つのステップに分かれており、最初は当たっても比較的
安全な木製の武器術のトレーニングだ。木製の武器術で使う武器は棒術で使う様なロングスティック、それから
名前の通り短い棒であるショートスティック、そしてショートスティックとは違う、どちらかと言えば木刀の一種と
されている「オッタ」がある。 このオッタと言う武器は、横から見るとカーブを描いたショートスティックになっている。
この武器の使い道は先端についている丸くなっている球体の部分で相手の股間やみぞおちを狙うのだ。
基本的には中腰で構えて、ジャンプから攻撃したり突き刺したりと様々な使い方が出来るのが特徴だ。
こうして木製の武器術のトレーニングが終了して次のステップに進むと、今度はいよいよファンタジーな世界でも
おなじみの鉄製の武器のトレーニングが待っている。
鉄製の武器として使用されるのはオーソドックスな剣とそれから鉄製の盾。それから一般的に見かける物とは持ち方も
形も変わった物になっているダガーナイフ。後はロングスティックの鉄製バージョンに棒術の応用で鉄槍のトレーニング。
そしてカラリパヤット最大の特徴的な、鞭の様にしなる剣として知られている「ウルミ」が存在している。
ウルミは武器術の中で最後に習得する武器だ。鞭のようにしなるのが特徴な為に非常にコントロールが難しく、間違って
自分を攻撃して怪我をしてしまう事も珍しくない。なので他の武器をしっかり習得してからでなければトレーニングを
させてくれない道場もあるらしい。 昔の戦士は腰に巻きつけてベルト代わりに使っていたと言う歴史も存在しているので、
ベルトソードと言う呼び方でも知られている。腰に巻きつけた状態で持ち運びが出来る他に、グルグルと巻いてコンパクトに
バッグの中にしまう事も出来るので隠し武器としても非常に重宝されている。
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