A Solitary Battle High Speed Stage第12話


ニールのトレーニングするポーズは残り2つ。まずはニワトリのポーズだ。

このポーズは足を振り上げる、いわゆるキック技のトレーニングになる。

と言ってもこれもまた普通のキックのトレーニングでは無い。

一体どんなキックなのかと言えば、その足の上げ方もそうなのだが、つま先の形が

普通のキックとはちょっと違う。普通のキックは足を振り上げた時につま先をまっすぐにして

キックするか、足の裏で蹴ったりする。確かにカラリパヤットにもそうしたキックのトレーニングは

存在しているし、基本的なキックのトレーニングとしてニールもやって来た。

このニワトリのキックトレーニングは、足を振り上げた時はつま先を「親指だけ」上に向けて

上にキックするのだ。何の為にそうしたキックになるのかと言えば、その振り上げた足の親指で

相手ののどやアゴを狙い打ちしてつま先で突き刺す為なのだ。


では実際にどうやってトレーニングするのかと言うと、まずはいつものガードポーズからスタートする。

そこから片方の足を少し曲げ、斜め上に向けてキックする。この時に足を曲げるのと同時に足の

親指だけに力を入れて上向きにするのを忘れてはいけない。それと、顔もやや斜め上に向けて

目線は蹴り上げたつま先を見る様にすると尚良い。

足を振り上げたら今度は下ろすのだが、ただ下ろすのでは無くてゆっくりと足を曲げて折り畳みながら

つま先から地面に向けて下ろし、イノシシのポーズと同じ様に小さいステップでやや前に下ろす。

何故かと言うと、ニワトリのキックポーズからのテクニックの1つではこの後にジャンプするからだ。

それ以外にも、足を前に下ろす事でその次の動作に移行しやすくなるのも理由だ。


この後のジャンプでは、キックする前からずっとクロスさせたままのガードポーズをしている腕を下ろし、

下ろした勢いを使ってキックした足とは反対の軸足で踏み切り、腕を下ろしたその勢いも利用して

大きくやや斜め前に向かってジャンプする。そのポーズは相手に飛びかかるのは勿論の事、

相手への牽制にも使う事が出来る。

また、この後に練習する最後のポーズのライオンの構えにも繋げる事が出来るし、ライオンの

ポーズの後に馬のポーズをする事も出来るので工夫次第で色々なポーズにつなげていけるのが

このニワトリのポーズだ。と言ってもこの8つのポーズの中では唯一のキックのトレーニングが出来る

ポーズとされており、足を振り上げる事によって股関節の柔軟運動と足の筋力アップをする事が

出来るから素早いキックを可能にする物だ。

また、必然的に片足でバランスを取ってキックしなければいけないのでこうした直立のポーズの時の

バランス感覚を養うトレーニングもしている事となる。


このニワトリのポーズのキック以外にもカラリパヤットには色々なキックがあり、両腕を上に上げて

バランス感覚を養いながら右足と左足で交互に足を上げて上にまっすぐキックするストレートキックや、

そのストレートキックを自分を中心に1周回りながらピザの切り方の様に360度の中で右足だけ、

もしくは左足だけで8回行うキック、キックした後に素早く尻から座るシットダウンキック、キックしてから

素早く180度後ろにターンしてもう1度キックし、そこから180度逆にターンして元の位置に戻る

連続キックのトレーニングも存在している。

いずれもカラリパヤット独特のキックトレーニングの方法であり、背中をまっすぐにして顔は正面を

見て行うので背筋のトレーニングとバランス感覚のアップ、そしてニワトリポーズのキックと同じ様に

足の筋力アップも出来る様になるし、ターンキックを練習する事で素早いターンからの攻撃が

出来る身体作りに繋がるのだ。


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