A Solitary Battle High Speed Stage第10話
こうして出来上がった象のポーズだが、結果的に尻を後ろに突き出す様な体勢になっている。
この時に腰を落として座ってしまわない様に気をつけつつ、背中を反らせる事でよりしっかりとした
ポーズになる。この象のポーズでは背中を反らす事による背中から腰にかけてのストレッチの効果、
それから中腰の体勢を維持する事で足の筋力アップにもなるし、何より体勢を維持するだけの
持久力も身につく。ちなみにここから起き上がる時には再び最初の手をクロスさせて耳にくっつける
ガードのポーズを取り、頭から背中を丸めて「ゆっくりと」起き上がって足を閉じれば象のポーズの
動きは終了だ。慣れない内に、ここで余りにも速く起き上がってしまうと腰を痛めてしまう危険性が
あるので気をつけたい。
更に戦いの中においても、この象のポーズでは最初に行った上半身の腕を閉じて、開き、
そしてまた閉じるあそこの一連の動きを使う事で相手を突き飛ばす事が出来る。
まずは最初の腕を開く動作で自分に接近している相手の頭の後ろを抱え込む。
次にその抱え込んだ頭と一緒に自分も下へと身体を下げて相手を首から押さえ込む。
最後に背中を反らせて起き上がる所で手の動きは相手を前へと突き飛ばす物に変わる。
ここから突き飛ばして隙が出来た相手に対して膝蹴りを叩き込んだりする事も出来るし、
パンチでぶん殴る事も出来る。
それから突き飛ばすだけでは無く、後ろから両腕を羽交い締めにされた時も最初の身体を
後ろに反らすポーズを使って相手の首を取り、そこから前に向かって投げ飛ばす事が出来る。
馬のポーズの時とは違って、相手の頭が自分の頭に近付いてくれている時で無ければ腕が
届かないのでそこは臨機応変に対応するしか無いが、意外と力技で後ろに手を回してしまえば
相手の頭を掴めてしまう事もある。
また、連続して象のポーズを行うトレーニングもある。この時にはまずガードの直立ポーズの状態から
左足を右足に向かって一旦閉じる。そこから今度は左足を自分の斜め左前に出し、続いて右足を
その斜め前に出した左足にくっつけて閉じ、もう1度自分の歩幅まで開いて再び身体を後ろに反らし……と
言う様にして連続して象のポーズをトレーニングするのだ。
ここで重要な事になるのは最初に足を開いた時に設定した自分の歩幅と同じ広さの歩幅をずっと意識して、
それを移動した後に維持する事である。せっかく自分に最適な歩幅を設定してトレーニングを始めたのに、
その次の移動をしたときに最初の歩幅よりも狭かったり、逆に広かったりして最適なポジションを取る事が
出来なければスムーズな連続した象のポーズのトレーニングは出来ない。なので、左足を前に出す時は
常に最初の自分の左足の広さを意識し、右足をくっつけてもう1度開く時も同じ様に自分の右足が
移動する前に何処にあったか、と言う事を頭においてスムーズな移動とトレーニングを心がける様にしたいものだ。
ニールも最初は上半身の動きばかりを意識してしまっていた為、歩幅の広さや足の動きがおろそかになりがちだった。
しかしこの足の動きでスムーズな動きのトレーニングが出来る様になると共に、向かい合う相手の後ろに回り込んで
そこから首投げを行う為の動作のトレーニングにもなると言う事を知り、足の動きと歩幅を意識する様になって行ったと
言うエピソードがある。実際に今トレーニングしている砂浜の様な荒れた地面においてもスムーズな動きが出来る様に
なっているのが、ニールが象のポーズのトレーニングにおいていかに歩幅を意識しているかと言う証拠なのだ。
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