A Solitary Battle第7話
「……この王国が滅亡した原因……?」
その男が話してくれた内容は驚くべき物であった。何でも、ヴァーンイレス王国が滅んだのはただ単に
戦争で負けたからと言う話では無いのだと言う。傭兵ギルドから依頼を受けた人間にはこの事を
伝えてさっさとこの町から出て行った方が身の為だと言うアドバイスをこの男はしているらしい。
しかし、そんな話を聞いたセバクターの元に予期せぬ来訪者がこの後現れる!!
「……?」
窓の外を見てみると、少しだけ武装している人物が7人位やって来ているのが
セバクターには見えた。
「あいつ等は……?」
しかしその人物達はどうやら招かれざる客だったようで、オールバックの男が行動を
起こす前にその人物達がドアを派手に蹴り破って家の中へと乗り込んで来た。
「へいへいへいへい、御前達はここで何を話していたんだぁ!?」
大きな斧を背負ったオレンジ色の髪の毛の男が一気にオールバックの男に詰め寄る。
そうして懐から短剣を取り出し、オールバックの男を壁に押さえつける。
セバクターはセバクターで彼の仲間であろう残りの人間に身動きが取れない様に
囲まれていた。
「俺達の事を散々喋ってくれたみたいだがなぁ、おもしれぇじゃねぇかよ。
で、今まさに俺達の事をまた喋っていた訳だ、あいつによ!!」
あいつと言うのは恐らくと言わないまでも自分の事であろう、とセバクターは確信する。
「ここ迄されたらこっちも黙ってられないんでね。悪いけど死んで貰うぜ。勿論お前だけ
じゃなくてその事をお前が話して聞いてしまったあいつと一緒にな!!」
このままではまずい。そう確信したセバクターは男の仲間の注意が今まさに
押し問答しているオールバックの男と大斧の男の2人に向いているのを見て、腰の
ロングソードを素早く引き抜いた。
まずは引き抜き様に素早く2人を切り殺し、それに反応した1人の胸にロングソードを突き刺す。
3人を殺して次に4人目に体当たりを仕掛け、5人目が右から向かって来た所で今度は
やや体勢の崩れた回し蹴り。
その回し蹴りで5人目を気絶させ、起き上がって来た4人目が武器を構える前に彼の喉目掛けて
高速突きを繰り出して素早く始末した。
「く、くそっ……うおわ!?」
大斧の男の素っ頓狂な叫び声の原因は、オールバックの男による渾身の突き飛ばしだった。
今は劣勢と悟った男は、気絶している5人目と残りのメンバー達を引き連れて素早く退散。
とりあえず、冒険者ギルドの人間だけでは無くこの家の家主であるオールバックの男にも
早くこの町から出て行った方が良いとセバクターがきつくアドバイス、と言うよりも忠告をして
これ以上の面倒事に巻き込まれない内にセバクターは素早く以来を達成するべく冒険者
ギルドとなっているあの酒場へと向かう。
依頼を達成していてもそれが冒険者ギルドに認められなければ完全に完了したとは言えず、
報酬として設定されているお金もまだ貰えていない状況だ。
(厄介な事にならなければ良いがな)
来た時よりもなるべく急ぎ足で、頭の中で道順を逆に思い出しながら冒険者ギルドへと
セバクターは向かうのであった。