A Solitary Battle第2部第3話


セバクターは再び馬を走らせて、日没前に何とか1つの町に辿り着いて

宿を取る事に成功。だが帝都まではまだ後3日位掛かりそうである。

そしてその町でセバクターは気になる話を聞く事になった。

「盗賊団?」

何でも、このエスヴァリーク帝国でも盗賊団がはびこっているらしい。伝統と

歴史がある国だからこそ人間も多く集まって来るが故にそう言った連中も

幅を利かせているのだろうとセバクターは感じたが、それ以上に盗賊団と言う

響きにうんざりと言う感情も同時に出て来た。

(また盗賊団かよ。俺、そんなに盗賊団に縁があるのか?)

心の中でそう思ったが、今回は別に盗賊団に関する話を聞いたと言うだけ

なので実際に自分が関わった訳では無い、と考え直して宿へと向かった。


そうしてその町で夜を明かしたセバクターは次の日から3日かけて、ようやく

エスヴァリーク帝国の帝都であるユディソスへと辿り着いた。

ちなみに帝都までは商隊の護衛とか、町から町への物品の配達と言った依頼を

こなして路銀をセバクターは稼いでいたのである。

ユディソスは遠目から見ていただけでもかなり大きくて広くて、そして威風堂々とした

風格の漂っている都と言うイメージが強かったが、実際に入り口で審査を終えて

中に入って見るとその実態を思い知らされた。


「すげぇ……」

無口なセバクターでさえ思わずそんな感じで言葉が漏れてしまう程に、帝都の

広大な敷地は地平線まで続いている。1日では絶対に回り切れないと断言して

良い位の広さだ。

(しばらくはこの帝都で過ごしてみたいな。その為にもここの冒険者ギルドへ

まずは向かうとしよう。ここから1番近いギルドは……)

冒険者ギルドはイクバルトの町では1つだけだったが、ここではその余りにも広い町で

あるが為に何と10箇所もの冒険者ギルドの支部があり、城の内部に冒険者ギルドの

本部が設置されているのだとか。その話を聞いた時に何もかもここはスケールが違う、と

セバクターは思わずには居られなかった。

(とりあえず、1番近いギルドに行って依頼を見てみるか)


そうして1番近いギルドへと向かう為に進んで行くセバクターであったが、その前にまずは

自分の乗って来た馬を預ける事にする。

だがその馬を預けて冒険者ギルドがある区画に進んでいる時に、路地裏から何者かが

争う様な音を耳にしたのでセバクターはふと足を止めた。

(ん……?)

この町に来たばかりだから余り首を突っ込まないようにしよう、と再び歩き出そうとした

セバクターだが、災いは向こうの方から彼に降り掛かって来た!!


「うおぅ!?」

路地裏から走り出て来た1人の男と凄い勢いでぶつかってしまい、セバクターは地面に

尻もちをついて倒れてしまう。

(な……何だぁ?)

走り去って行く男の後姿を見てみると、背はそれ程高く無さそうで水色の髪をしている。

(帝都に来て早々これかよ、まさに前途多難って奴だな)

立ち上がりつつ尻をパンパンと叩いて泥を叩き落とし、セバクターは再びギルドへと歩き出した。


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