A Solitary Battle第10話


ロングソードを引き抜いて、素早く手近な女に斬りかかって一太刀で

斬り捨てる。それからさっき椅子を投げ飛ばしてノックアウト寸前まで

追い込んだ男には素早くブーツの裏で上から思いっ切り蹴りつけて

首の骨をへし折った。だけどまだまだ敵はたくさん居るので素早くその

男の首をへし折ったら、今度はなるべく複数人を相手にしない様に

心がけつつ戦う。囲まれたら終わりだ。

幸いここには身を隠せそうな場所が沢山あるし、障害物も沢山あるので

1対1のバトルに持ち込んで行けそうなのが幸いした。


「殺せ、八つ裂きにしろ!! 絶対に逃がすな!!」

リーダー格のあの男の叫び声が響くが、そんな事は気にしていられないセバクター。

続いて向かって来た女には先手必勝でドロップキックをかまし、更にその後ろから

向かって来ていた槍使いの男の槍にその女の身体が突き刺さる。

仲間を自分の槍で突き刺す事になってしまったその男にはセバクターからの

強烈な突き刺しが動揺している隙を狙って飛び込んで来て絶命した。

これでまた2人メンバーが絶命し、残るは約10人程。

(まだ結構居るな……)

だけどそんな事で気後れなどしていられない。むしろイケイケドンドンで進んで行くしか無い。


(くそ、やられっぱなしじゃねぇかよ! このラディ盗賊団がこんなにもあっさりと負けるなんて!?)

セバクターの実力に驚きを隠せないリーダーの男、ラディ・ヴェスフィンは次々にやられて行く

自分の盗賊団のメンバーを見て歯がゆい思いをする。

(だけど俺だって伊達にリーダーやってる訳じゃねーんだよ!!)

だからこそ今ここで自分が出ないでどうするとばかりにラディは背中に背負った大斧を取り出す。

(ここまで散々コケにしてくれたからな。今度はこっちの番だ!!)

相変わらず軽快にそして快調に部下を倒して行くセバクターに、後ろからこっそり近づくラディ。


そのセバクターは残り3人位が一斉に襲い掛かって来た所で苦戦を強いられていた。

3vs1じゃ真っ向勝負では勝ち目が無い。

だったら何とかして1対1の連続に持ち込みたい所である。

(くうっ……)

まずは右と真ん中の相手の間にするっと身体を滑り込ませ、右から向かって来ていた相手を

一太刀で斬り伏せる。

次にその切り伏せた相手の身体を掴んで真ん中から向かって来ていた相手の攻撃を

ブロックする盾に使い、それに動揺して攻撃をブロックされてしまった真ん中の相手の首を

ロングソードでセバクターは貫く。

最後に左から向かって来ていた相手の足を突き刺し、体勢が崩れた所で胸を一突きにして

3vs1のバトルは終了。


……したのだが、そんな彼にまたもや背後から人の気配が!!

「っ!?」

感覚のままに、そして本能のままにロングソードを動かすと、甲高い金属音と共に腕に衝撃が掛かる。

自分のロングソードと交わっていたのは、リーダーであるラディの斧であった。

「なかなかだ。その腕に敬意を表して、真っ二つにしてやらぁ!!」

そう言って力任せにラディは斧を振り回し、ロングソードによる攻撃にパワー全開で向かって来る。

「っう!!」

ロングソードで攻撃を弾こうとしても、逆にパワー負けしてしまって体勢を崩されて

しまう事が何回か刃を合わせて分かった。このバトル、一体どうなってしまうのか!?


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