Training along with the dragon第7話(最終話)


バイクと男が近付いて来る所を見計らい、スマーティは思い切って地を蹴った。

その横っ飛びの状態で狙ったのは男では無くバイクのタイヤ。

「っあ!?」

バイクの後輪がパンクして大きく挙動を乱した所で、レイジが男に向かって正確な射撃で終わらせる。

(ダラダラ付き合っちゃ居られねぇ!!)

生物兵器を止めなければいけないので、この男ばかりに構っている時間は無かった。


だが、どうやら話はこれで終わらなかった様だ。

生物兵器がとうとう本格的に暴れ出し、凶暴なドラゴンとして拘束を破って地下の部屋に降り立った。

「うおっ!?」

「何だ、こいつは!!」

驚くバーチャコップ2人の目の前で大きく咆哮を上げたその青いドラゴンに、体勢を立て直した男がまたがる。

「止められるなら止めてみろ」

それだけ呟き、男はドラゴンを操って再びバーチャコップ達に襲い掛かって来た。


青いドラゴンは只飛び回って突進して来るだけでは無く、翼を使って突風を巻き起こして来たり、

ボディプレスを仕掛けようとして来たり、前足の爪で引っかいたりして来ようとしたり、尻尾を思いっ切り

ぶん回して来る等非常にバリエーションの多い攻撃方法を持っている。

それから何と、口から鉄砲水をまるでレーザーの様に吐き出して来るのだから質が悪い。

『化け物……!!』

通信先でジャネットが思わず呟く。しかしそれでも銃弾は効く様で、諦めずに銃弾を撃ち込んでいれば

何度かドラゴンが仰け反った。それを見ていたレイジとスマーティは必ずこのドラゴンにも何処かに弱点が

ある筈だと信じる。


そして、そこを予想するのに時間は掛からなかった。

「レイジ、目だ!!」

「ああ!!」

レイジとスマーティは、ドラゴンが突進して来た所を狙ってギリギリのタイミングで両目に向かって銃弾を放つ。

その瞬間に物凄いドラゴンの絶叫が地下室中に響き渡り、背中に乗っていた男が振り落とされる。

「う、お、おおっ!?」

振り落とされた男は低い位置から落ちたので無事の様だったが、ドラゴンは目を潰されたショックで

激しく暴れ回り、地下室を破壊し始めた。


「くそっ、脱出だ!!」

「いや、待て!!」

地下室が完全に破壊されると思ってレイジが脱出をスマーティに促すが、スマーティはドラゴンの

様子の変化に気がつく。何度も何度も壁や天井に体当たりした事でドラゴンが弱って行き、ついには

ドラゴンがよろよろと地面に横倒しになる形で倒れ込んだ。

背中から振り落とされた男はギリギリでそのドラゴンの下敷きになる所をかわし、最後の力を振り絞って

バーチャコップの2人にHK45の銃口を向けたがスマーティに拳銃を弾き飛ばされ、レイジに足を撃たれて

力無く地面に倒れ込んだ。

「今度こそ貴様を逮捕する!」

「この街の平和は俺達が守るんだ。残念だったな!」

そしてこの瞬間、訓練終了の合図である盛大な花火が上がって全ての訓練プログラムが終了した。



「色々と世話になったな」

「演技はぎこちない物だったが、なかなか歯ごたえのある訓練だった。感謝する」

レイジとスマーティは今回の訓練に協力してくれた3人と1匹をその訓練の日の夜にお勧めの料理屋に

誘い、今回の協力に関しての礼を述べていた。

『ドラゴンとして精一杯の事をしたつもりではあったけどね。今回は模擬弾だったから良かったけど、

実際に実弾で狙われたらたまったもんじゃ無さそうだよ』

今は人間の姿のシュヴィリスが、自分を倒す切っ掛けになったあの目への狙撃に感想を述べた。

「俺もバイクの大型免許を持ってたから、それが生かされる事になるとは思いませんでした」

あのHK45ハンドガンと、自分が乗り回していたGSX−R1000はバーチャシティポリスから

用意された物だったが、ノーヘルメットで乗り回すのはやっぱり少し怖かったと令次も告白した。


『ああ、後これ。ジャネットの分もあるから。その辺の白い紙で申し訳無いんだけどさぁ』

最後に、シュヴィリスがレイジとスマーティの似顔絵をプロの画家らしく写実的に描いた物を

2人に手渡した。

「へええ! わざわざ描いてくれたのか!?」

「嬉しい物だな。やはり芸術で食べて行く人間は違うな」

『人間じゃなくて僕はドラゴン。でも、それ位までしっかりと描けなきゃお金は貰えないからね』

継続は大事だとしみじみ言うシュヴィリスに、コツコツと小さな事からやるタイプの流斗も同意した。


そうしてその日の最終便で日本へと帰る前にバーチャコップの2人と今回の3人と1匹、そして見送りに

駆けつけてくれたジャネットも加わって記念撮影。

「また機会があればバーチャシティに来てくれよ」

「悪い事ばかりじゃ無かっただろ?」

「ああ……そうだな」

この街に来る度に様々な事に巻き込まれていた事を思い出し、大塚が遠い目で何処かを見つめる。

そして3人の日本人はバーチャシティの空港から日本へ向かって飛行機で飛び立ち、シュヴィリスは

インプレッサを預けた港から夜の空に向かって飛び立って同じく日本へと帰って行くのであった。




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