コラボ小説第3弾

コラボTC小説第3弾


〜登場人物紹介〜

ヴォルフ・ハワード

フェリア・エリーゼ

黒羽真治

スティーブ・ブライソン


〜その他〜

岸 泰紀(きし やすのり)…夢見の生霊

夜野 秋羽(やの あきは)ー翠洸さん



プロローグ:軍事機密奪還作戦開始

2008年1月。米軍のヴォルフ・ハワード中佐とフェリア・エリーゼ大尉は、軍から盗み出されたという

大型ミサイルの開発プログラムを取り戻すため、極秘に動いていた。

まずは目的地のアメリカ北部へ向かうことに。

「盗まれた、と言うことは、軍内部の奴が関係してる可能性もあり得る」

「ですね。しかも私たちだけでの極秘調査…これは外部に漏れたら問題のあることなのでしょう」

「そうだな」

ヘリを加速させ、2人はデトロイト州へと向かった。


ステージ1:軍人と傭兵

エリア1

同じ頃。在日米陸軍所属の少尉、スティーブ・ブライソンと傭兵の黒羽真治は、久々の休暇と

言うことでデトロイト州へ旅行に来ていた。

「思えばあんたと会うのも久しぶりだな、真治」

「……ああ」

真治はアメリカ陸軍の軍服を着てここに来た。スティーブがアメリカ陸軍の軍服を新調するので、

お下がりだがここに来る前にもらったものだ。

「さて、まずは五大湖でも見に行くか?」

「構わないが」

「なら決まりだな。行くぞ」

2人は五大湖へ向けてスティーブの愛車であるトヨタMR2に乗り込み、意気揚々と出発した。


エリア2

その頃、ヴォルフとフェリアが乗ったヘリは、デトロイトの上空にさしかかろうとしていた。

「フェリア、あまり敵地に接近しすぎると迎撃されるかもしれない。ここらで降りよう」

「わかりました」

フェリアはヘリを五大湖の近くの森へと着陸させ、辺りを窺う。

「大丈夫です。この辺りには敵の姿は見えませんね」

フェリアが双眼鏡をのぞき込みながら言う。

「わかった」

2人はヘリを降りて、五大湖の1つ、スペリオル湖へ向かう。スペリオル湖は五大湖のうち面積が

最大でチェコの国土よりも広く、北海道の面積より大きい。水深も最も深く、水量が最も多い。

しかし周辺人口は希薄である。その希薄さから、核ミサイルのデータを奪った奴はここにいるという情報が

軍にもたらされた。で、歩き続けること15分。

「凄いですね。向こうが見えませんよ」

「ああ。ここは五大湖の中で一番でかいところだからな。……だからこそ、だろ。ここは、悪の巣窟にもなるんだ」

湖には、釣りをしている2人組の姿も。

(ああいう人達の楽しみは、絶対に壊させないわ)

(俺らは絶対に、機密情報を取り戻す!)


「あ〜あ、釣れないなぁ……。そっちはどんな感じ?」

「こっちも全然……」

釣りをしている2人組は男女のコンビだ。

「ねえ、秋羽、そろそろ帰らないか? 釣れないし……ここにいるより何処かでおいしいご飯でも食べに行こうよ」

「そうね。じゃあ岸、こいで」

岸と呼ばれた男がオールをこぐ。

「結構かかるかもよ?」

「じゃあ、私がこぐからオールちょうだい」

「はい」


しかし、秋羽にオールを渡した岸が、地獄を見るまではすぐの事であった。

「せーの……おりゃああああーーーー!!」

「は……はああああああーーーっ!?」

物凄いスピードでオールをこぐ秋羽に、岸、思わず絶句。その後どうなったかは言うまでもなく・・・。

「お、オール持たせたら危険だ……な……」

「ちょ、ちょっと大丈夫!?」


「なんかさっき、叫び声聞こえなかったか?」

「聞こえましたね。…じゃ、行きましょうか」

「だな」

声の確認をしないのかよ、という突っ込みが入りそうな軍人2人の会話はその2人に届く事無く

湖畔に消えていくのであった。


エリア3

真治とスティーブのMR2もスペリオル湖に到着。

「おー……綺麗だなー!」

「そうだな」

MR2から降り、見渡す限りの広い湖を見渡す。この周りをドライブしたら最高だろうな……と、そんな

気分に浸っている2人。と言う訳でドライブすることに。

2人は車で走るのが大好きなため、かなりスピードは速い。……が、そんなことはお構いなしだ。


数分も走れば、さっきよりも綺麗なところに出た。

「こっち、さっきより綺麗だな」

しかし、そんな静粛は突然の銃声によって打ち破られた。遠くの方から銃声が聞こえてきたのだ。

「……何だ?」

すると次の瞬間、2人の目の前に1機のヘリが現れた。それと同時に2人に向けてガトリングガンを撃ってくる。

「うおっ!?」

明らかにこの場所には不釣り合いで、何故こんなところにいるのかということも2人にはわからない。

軍の演習ではなさそうだ。じゃあどうして……?


が、今度はそれに呼応するかのように、遠くから叫び声が聞こえてきた。

「中佐! 向こう……!!」

「……中佐?」

「くそっ! 狙撃できるか!?」

「や、やってみます!」

「狙撃? 何のことだ……?」

銃声が響いてきたが、ヘリはいっこうに退散しようとしない。そこで2人はお互いを見て軽く頷くと、

真治は軍服の下のショルダーホルスターからシグ・ザウエル社のP226を、スティーブは腰に下げている

ベレッタM92Fをホルスターから引き抜いた。


ヴォルフとフェリアはヘリを追って走る。アジトを見つけたのは数分前。そこにいたリーダーらしき男を

捕らえようとしたが、奴はヘリで逃げてしまった。しかし周りには木々がそびえ立っているので、奴も思うように

ヘリをコントロールできない。何とか引き離されずにヘリを走って追いかけているが、いずれ逃げられてしまうだろう。

だからその前に狙撃するという作戦だ。

「逃がさない……!」

フェリアの放った弾丸はヘリに命中しコクピットのガラスを破壊したが、それでもヘリは逃げようとする。

「逃げられる!!」


だがその瞬間、遠くの方から何発もの銃声が響いてきた。

「え……?」

するとヘリのフロントガラスにいくつもの小さな穴が開き、数秒後には回転しながら森の中へと墜落していった。

2人はヘリを追って森へと入っていく。

「うわあ……こりゃひでえ」

「証拠になりそうなもの、ありますかね?」

パイロットは絶命しており、機体は黒煙を上げて燃え上がっている。


と……後ろからいきなり聞き覚えの無い声が響いてきた。

「ちっ、急所は外したつもりだったんだが」

「ん!? 何者だ!」

ヴォルフとフェリアは同時に声のする方へハンドガンを向ける。そこには2人の茶髪の男が立っていた。

片方は軍服の東洋人、片方はアメリカ系だ。

「お……おいおい」

「動くな! 両手を上げて武器を捨てるんだ! 早く!」

「待てよ、誤解……」


だが乾いた音が響いたかと思うと、軍服の男の顔を銃弾が掠めていった。

「もう1度だけ言うぞ。武器を捨てて、おとなしく手を挙げるんだ!」

「……わかった」

2人はハンドガンを2人の方に投げ、両手を頭の後ろに組んだ。

「お前らは何者だ? 何故ここにいる? さっきの銃声はお前らか?」

「そんないっぺんに質問されても……俺らはここに旅行に来た。俺は傭兵、こいつは軍人だ」

「え?」


すると軍人と呼ばれた男も口を開いた。

「論より証拠だ。ズボンのポケットを探ってみろ」

言われた通りポケットを探ると、そこからは身分証明書が出てきた。

「在日米陸軍所属……」

「スティーブ・ブライソンだ。階級は少尉」

「奇遇だな。俺も軍人だ」

「そうか。とりあえず銃返してくれるか? ベレッタの方」

「その前に、東洋人の身分を教えてもらってからだ」


その言葉に東洋人も身分を明かした。

「黒羽真治。このスティーブとは戦友。今は傭兵をしている」

目が本気だ。嘘を言っているようには見えないと判断した2人は、改めて自己紹介をすることに。

「ヴォルフ・ハワードだ。アメリカ軍所属。階級は中佐だ」

「フェリア・エリーゼです。ヴォルフ中佐の副官で、階級は大尉です。…あ、お2人の銃、お返しします」

その後、ヴォルフとフェリアから事情を一通り説明された真治とスティーブは、彼らに協力を申し出た。



ステージ2:協力!

エリア1

証拠となるものは何もなかったが、パイロットの服から1枚のメモが出てきた。

「これは…」

そこにはこう書いてあった。


『午後1時、湖畔にある第6研究所において、ミサイルの発射試験開始。時間厳守』


「げっ…午後1時!?」

4人はすかさず時計をチェック。

「後1時間しかねえじゃねーかよ!今正午だろ・・・この広いスペリオル湖の、どこの湖畔を探せって言うんだ!?」

「…待て!裏にも何か書いてあります!」


『南の湖畔にて、あの方が来られる』


「あの方…?」

「と、とにかく南の湖畔に行ってみましょう!」

しかし、スティーブの言葉にヴォルフはやや不安な顔つきになる。

「それはいいんだが・・、俺らのヘリ、偵察用の超小型機だから2人しか乗れないんだよな……」

だが、今度は真治がヴォルフに向かってこう言った。

「心配ない。こっちはスティーブのMR2がある」

「でも…」

「俺等は運転には自信がある。大丈夫、すぐに追いつくから」

その言葉を信じ、2人はヘリに乗って南の湖畔へと向かうことにした。



エリア2

一足先に南の湖畔へ着いたヴォルフとフェリアは、大きな研究所らしき建物の前に立っていた。

「ここか」

恐らくここしかない。3階建ての小さめの建物だが敵もいるはず。

「良し、乗り込むぞ」

2人はハンドガンを引き抜くと、建物に向かって歩き出した。入り口は厳重そうに御大層にも

ロックがかかっているのでハンドガンで1つ1つぶち壊し、思いっきり扉を蹴り開ける。

てっきり中に入れば敵がわんさかいるものとばっかり思っていた。


だがそんな2人の予想に反して中はがらんどうだった。

「……あれっ?」

しかし待ち伏せされているかもしれない。気を引き締めて警戒しつつ、2人はハンドガンを構えて進んでいく。

だがその時だった。頭上から銃を構えるいやな音が聞こえてきた。

「へっへ〜!! 待ってたよ、軍人さん方。まさかこんなに簡単に罠に引っかかってくれるとはねぇ? たいしたことないな?軍って言うのも?」

ヴォルフとフェリアは声のしてくる方向を見た。そこにはスキンヘッドに彫りの深い顔をした。南米系の黒人が立っている。

その手には大型のシェルショットガン。

そしてその回りには、7〜8人マシンガンやショットガンを構えた奴らが2人を狙っている。


ハワードは男に向かって声を張り上げた。

「貴様か! この事件の犯人は!?」

「さて……それはどうかな? 答えを聞きたければ俺の所まで来るんだな!!」

しかしその時。後ろから銃声が聞こえてきた。それと同時に2人を取り囲んでいた南米系の奴以外の奴らが次々に倒れていった。

「なっ……!?」

2人が振り向くと、そこには真治とスティーブの姿が。真治は2人に向かって叫ぶ。

「おい、ここは俺達に任せろ!」

「す…すまない!」

「くっ……! お前ら、応戦だ!」

南米系の男は不利を悟ったのか、援軍を呼び寄せると2階の奥へと逃げていく。

ヴォルフとフェリアは奴を追いかけ、向かってきた奴らを適当にあしらいつつ2階へ上がっていった。


エリア3

2階部分でも容赦なく敵が襲いかかってくる。銃撃、体術、コンビネーションを駆使して倒し、

何度も男を見失いそうになりつつも必死で追いかける。

「おい、待てっ!!」

軍の訓練で鍛えた瞬発力を生かし猛ダッシュで追いかける。でもそれはあっけない形で幕切れを迎えた。

そう、行き止まり。

「く、くっそーっ!!」

「もうあきらめて降伏しなさい! 逃げ道はないわよ!」

だが、この後の展開となるとやっぱり……。

「逃げ道がない? それは違うだろ。お前らを殺して俺は逃げるぜ!?」

「……やはりか」


素早く物陰に飛び込み、銃撃の応酬戦が繰り広げられる。男のシェルショットガンは連射できない

ものの、威力がすさまじい。遮蔽物なんてほとんどあてにならないものだ。

「おらおら、どうした!? 隠れてばっかりで臆病だな!」

(勝手に言ってろ……)

心の中でヴォルフはそうつぶやくと、反対側にいるフェリアに向かって手で合図を送る。

(……わかりました、中佐)

フェリアはヴォルフの意図を読み取ったか、ハンドガンに弾を込めて深呼吸をする。

(行きますよ! 3,2,1……)

(GO!)


合図とともに、2人が同時に銃撃がやんだのを見計らったタイミングで飛び出して、トリガーを引く。

「…な、んだとぉ…!?」

銃弾は男の体に吸い込まれ、がくりと膝をついて崩れ落ちた。


2人が男に駆け寄る。そのとき、真治とスティーブもやってきて男に駆け寄ってきた。

「終わったか!?」

「一応な。おい、お前らのしていることはいったい何だ! 答えろ!」

「へっ……まぁ、教えてやってもいいがな。俺らは軍に所属しているが……命がけでやってる割には、報酬が少ない。

そういえば前に起きたハーメルン大隊がどーのこーの……って事件でも、首謀者は同じよ……うなことを言ってたな。

軍って言うのは……大抵…そんなも…んだ……。俺は…俺のために…」

そこまで言って、男は息絶えた。


「確かに軍は危険だが……国を守れるなら俺は厭(いと)わないんだ…!!」

すでに事切れた男に対し呟くと、振り返ってヴォルフは言う。

「本当、あんたらまでこの事件に関わらせてしまって」

だが、その言葉に真治は冷静に返答。

「構わないが。俺らは。それよりもまだ上のフロアが残ってる! まだ絶対誰かがいる。確実に」

「ああ…そうだな」

「行きましょう、中佐!」

物語もいよいよ佳境へ。ラストステージだ。



ステージ3:ラストバトル

エリア1

4人は3階へ駆け上がる。建物は小さいが出てくる敵の数だけは多い。真治とスティーブのコンビネーション、

ヴォルフとフェリアのコンビネーション、どっちも強い。並み居る敵をなぎ倒し、一番奥の「いかにもボスがいそうな部屋」の

前にたどり着いた。

「よし、クライマックスと行きますか」

真治とヴォルフが協力してドアを蹴り破り、スティーブとフェリアが後ろから先に飛び込んだ。そこには……。

「……あれっ? 誰もいないぞ!?」


何と空っぽ。しかも部屋の中は家具や機材などが一つもない。

「何故だ……!? こういう展開だとこういう部屋にボスがいるはずなのに…!!」

「いや、展開も何もないだろ」

真治の冷静な突っ込みがヴォルフに飛んだ時、外からバラバラバラとローターが回る音が聞こえてくる。

「何? この音……」

フェリアが奥の窓から下をのぞいてみると、今にも飛び立とうとしているヘリの姿。恐らくボスが乗っているヘリだろう。

「おそらく内部の様子に気づかれたか。逃げられるぞ!」

フェリアとスティーブは下に向かって駆けだした。しかし真治は飛び立って上昇してくるヘリを見てとんでもない行動に出た。


「…ヴォルフ、幅跳びは結構いけるか!?」

「えっ……!? ま、まさか……!?」

「チャンスは1回きりだ。行くぞ! 距離は意外と遠くないからな」

まずは窓を取り外し、部屋の中に放り投げる。次にいったん2人は入り口のドアまで戻る。

そして目を見合わせ、同時に頷いて猛ダッシュ!

「飛べ!」

「あ……あんたは寡黙だけど、クレイジーだーーーっ!!」

窓枠を踏み台にして、2人は大空を舞った。ちょうど飛んだ瞬間、目の前に操縦席への入り口が現れた。

あのメモに書いてあった「あの方」と呼ばれるボス、ジャンがヘリの中から2人を見た。


「な、何だ……あれは!?」

2人の人間が空中からヘリにしがみついた。それと同時にヘリが一瞬バランスを崩す。

そこを見逃さず、間髪入れずに真治がヘリのドアを開ける。

「な、なんだ貴様ら……うわっ!?」

パイロットを殴り倒し、ジャンも鉄拳で吹っ飛ばす2人。その衝撃でジャンは反対側のドアにぶつかる。

するとドアが開きジャンは地上に放り出された。

「う……うわああああーっ!」

それを見届ける真治とヴォルフの2人。だがヘリはコントロールを失い真っ逆さまに地面へ向かっている。

「やばい! このままじゃ俺らまで……!」

「……俺の合図で飛び出せ。できる限りギリギリで飛び降りるが、爆発に巻き込まれるのはごめんだ!」

「は、はい!」


扉を開けて、2人は2度目のテイクオフの開始。

「3,2,1,GO!」

真治のカウントダウンで再び大空を舞い、見事受身を取って着地。ヘリは墜落して爆発炎上した。

2人は即座にしぶとくまだ生きていたジャンの元へ駆け寄る。スティーブとフェリアも合流した。

「無茶しますね、全く」

「でもああでもしなきゃ追いつけなかった。よく飛んだと自分でも思う」


ヴォルフは深呼吸をして息を整えると、ジャンを問いただす。

「……さて、おい、データはどこだ!? ミサイルのデータは!?」

しかしその問いに、ジャンはゆっくり立ち上がった。

「フフ……さぁ、どこだろうな…あったとしても俺は教える気はないな……」

「何だと、てめぇっ! 大体何でこんなことをした!?」

ヴォルフはジャンの胸倉をつかんで、地面に叩きつける。

「決まってるだろ……俺はこの世界にうんざりした。プログラムを売りつければ金がどっさり手に

入るからな……。ひゃははっ、全く馬鹿な奴らだよ。あのロブも、使い物にならなかったしな……!!」


そこまでジャンが呟いた途端、スティーブの鉄拳がジャンの頬にめり込んだ。

「ふざけるな…お前、人の命を何だと思ってやがる!」

ロブというのはおそらく、南米系のあいつのことだろう。

「時には切り捨てることも大事だ。俺は現に今までそうやって生きてきたからなぁ…」

「まだわかんねえのか!?」

立て続けにもう1発思いっきり顔面を殴り、地面に唾を吐くスティーブ。

「貴様はこいつら軍人を……いや、国を裏切ったんだぞ! 金のため? ふざけるな! 

貴様は軍人として、いや人間として失格だ。利用するだけ利用して、用が無くなったら切り捨てる。

そんなことがな、許されて良い訳が無い!」

「黙れ! お前は俺ら軍人の苦しみを知らねぇ。いつも危険な任務に就いていて、その割には安月給だ!

贅沢なんて夢の夢だよ。このままじゃ、老後は悲惨なもんだ!」

ジャンは軍人の様だ。


そこまで言うと、今度はヴォルフがジャンに詰め寄る。

「貴様…合衆国への忠誠心はどうした?こんな反逆が許されるとでも思っているのか?」

「そんなものは……何の役にも立たないだろ……お前らもいつかわかるときが……くる…だ……ろ……うよ……!」

そこまで言ってジャンは息絶えた。それを見たフェリアが抑揚の無い声で呟く。

「……終わったんですね、すべて……」

「ああ、終わった。何もかも終わったんだ……。でも、プログラムはどこに?」

その時ふと、フェリアがジャンの服を調べ始めた。するとポケットの中からコンピュータのロムの基盤が見つかった。

「あっ、ありました!!」

「本当か!? よかった……」


翌日。満足に休暇も取れなかった真治とスティーブは、米軍のサポート付きでデトロイトを見て回っていた。

「はぁ……やっぱり休暇はちゃんと楽しまなきゃな」

「そうですね。休暇はきちんと取らないといけませんね、中佐」

すると、何かを思い出したのかスティーブがポン、と手を叩いた。

「あ、そうだ。確かこの近くにうまい料理屋があるって前、部下の1人が言ってたんですけど」

「……そうか。なら、行ってみるか」

こうしてミサイルの情報は無事取り戻され、無事に事件は解決した。真治とスティーブ、ハワードとフェリア。

4人はアメリカを救った英雄なんだ。


〜完〜


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