寄せ集めサーティンデビルズ&Racing Project〜アラン・ダナウェイ&ウェズリー・ランバート


プロローグ:仏教の国から仏教の国へ

仏教の国と言えば日本もそうなのだが、もう1つ仏教を信仰する国がある。

それが東南アジアの有名な国、タイ王国だ。

そんなタイ王国に4年間修行で来ていた男を始めとした7人の外国人が

首都のバンコクに2014年の10月上旬に降り立った。

「ふわー、あっちーな」

「東南アジアってこんなもんなのか?」

「そうかも。赤道に近い所もあるしな」


タイに降り立ったのは寄せ集めサーティンデビルズからリーダーの小野田博人、

メンバーの岩村遼一、栗山祐二の3人とRacing Projectからリーダーで

このタイに留学していた市松孝司、メンバーのグレイル・カルス、松原周二、

橋本信宏の合計7人であった。

神橋洋子、大塚誠、兼山信也の3人は他の旅行に行くらしいので欠席だ。

「一先ずホテルに向かうか?」

「そうするか」

まずは荷物をホテルに置いてからゆっくり観光したいと言う事で、7人はバンコク

市内のホテルへと向かう事にした。しかしこの後、この楽しい時間が一気に

ぶち壊しになるとは7人の誰もが思いもしていなかった!


ステージ1:異国の地での再会

エリア1

ホテルに荷物を置いて、まずは長旅の疲れを癒す為に一旦休憩。

いきなり観光はとてもじゃないが無理そうだ。

「あー、タイって言っても首都はやっぱり賑やかだぜ」

「そりゃあ首都だしな。ああそうそう、タイでのルールなんだが放送で国歌が

毎日流れるんだ。その時に敬礼をしないと不敬罪になるんだぜ?」

孝司のタイの解説に橋本も頷く。

「ああそれは聞いた事がある。結構有名な話だな」

「他にも色々あるから、それはおいおい説明して行くか」

そんなこんなで、この7人のタイ旅行がスタートする事になるのであった。


エリア2

7人は少し休憩した後、揃ってバンコク市内を回る。チームで分かれても

良かったのだがタイのしきたりは孝司以外は良く分からないので彼に任せる事にした。

バンコク市内を見回って、大型ショッピングモールや屋台も見て、タイのタクシーとして

有名なトゥクトゥクにも乗ってみる。

その他にも有名な料理のトムヤムクンやソムタムを食べたりして充実していた。

「あー、タイって良い国だな」

「そうそう……人々はのんびりしてるし、微笑みの国って言われるだけの事はあるぜ」

「まだ観光名所は他にもあるんだろう?」

満足気な栗山と博人をよそに、孝司に問いかける岩村。そうして観光名所を一通り

見て回り、気がつけば昼を過ぎていた。

「そろそろ昼飯にしようか?」

「ああそうするか。孝司のお勧めの店があれば教えてくれ」

「だったら良い場所があるんだ」

そう言って孝司が案内したのは、バンコクの郊外にある寂れた料理屋だった。

「いわゆる穴場って奴さ。屋台のメシなんて目じゃないぜ」

その穴場の店に来て料理を注文し、7人は食べ始める。

「お、確かに今日1番の美味さだ」

「肉も柔らかいし、値段もリーズナブルだな!」

他の6人も絶賛する美味しさだったのだが、突然その料理屋に銃声が響いた!!


エリア3

「うおわ!?」

銃声が響いたのを切っ掛けに、今度は鉈やナイフを持った男女が一斉に

料理屋の中で大乱闘を始める。

「何だこれ、何かのドッキリか!?」

「いや、この殺気からするとドッキリじゃ無さそうだぜ!」

驚く橋本に対して栗山が落ち着いて答える。

「まずはここから避難だ!」

周二の声で7人はとにかくこの料理屋から脱出する為に、各自培った武術経験を

生かしてさっさと逃げる事にした。料理屋の中では松原周二と栗山祐二が活躍。

持ち前の強靭で屈強な肉体から繰り出されるパワーを生かして敵をぶん投げたり、

ラリアットを食らわせたりして周二が攻め、敵から奪ったナイフで確実に退路を切り開いて

栗山が突破口を作っていった。



ステージ2:バンコク市街戦

エリア1

料理屋を何とか脱出して出来るだけこの場から離れようとした7人だったが、

何とバンコクの市街地の至る所で暴動が起こっているのであった。

「何だよこれ!?」

「おいおい、こりゃあひでぇぞ」

「全くもって訳が分からない……何でこんな事に?」

市街地の中での移動手段となるバイクタクシーやトゥクトゥクもバスも使えそうに

無いし、暴動を起こしている市民が7人に見境無く向かって来るので

その度に何とかダメージを最小限に留めつつも撃破して行く。

ここでは岩村遼一と橋本信宏が抜きん出た活躍をしていた。だが、そんな

彼等の前に思いも寄らない人物が現れる事になる!!


エリア2

「うおっと!?」

7人はメインストリートからそれて、空き家の中に身を潜めようと角を曲がった時に

突然飛び出して来た2人とぶつかりそうになった。

先頭を走っていた孝司と博人がそれぞれ咄嗟にかわしたが、その2人は

7人の顔を見て驚きの表情を浮かべた。

「なっ……!? 何で御前達が!?」

「え……?」

その2人は赤を基調としたジャケットに黒のジーンズ、そして額に掛かった

サングラスが特徴的な茶髪の男と青を基調としたジャケットに白のズボン、

首からネックレスをぶら下げた金髪の男だった。


「え、えっと、あれ……? 確か、VSSEとかって言う所のアラン君と

ウェズリー君だったか?」

グレイルが2人に確認すると2人は頷きを返した。

「何であんた等がここに居るんだ?」

アランが7人にそう問いかけるが、グレイルは軽く流す。

「俺達は旅行で来たんだ。それにしてもこの騒ぎは一体何なんだ?」

だがウェズリーは首を横に振った。

「すまないが今は説明していられない。とにかく一刻も早くこの場を離れるんだ!!」


そう言い残してウェズリーはアランと共に暴動の中へとハンドガンを構えて

走り去って行った。

「何か相当やばいみたいだぜ」

「ああ、俺達も早くこの場を離れよう!!」

アランとウェズリーに暴動の事は任せ、7人はそれぞれ銃撃戦に巻き込まれない様に避難だ。

……と思ったのだが、この後7人の前に信じられない光景が!!


エリア3

いきなり何処からとも無くセスナ機が飛んで来て、7人のそばを掠めて行く。

「うおお!?」

そのまま地面すれすれまで降りて来てまた飛び上がったと思えば、再び突進して来て

プロペラで攻撃して来る。この地帯は電線が地中に埋まっているらしい。

「何だあいつは!?」

「知らねぇ! でもこのままだとまずいぜ!!」

だがその時、グレイルと栗山がある事に気がついた。

「だったらこうするまでだ!!」


それは暴動で負傷して地面に倒れていた警察官が持っている、ハンドガンやショットガンだ。

これ等の武器を使ってあのセスナを撃ち落そうと言う考えらしい。

「無茶だ!! 民間人に当たる可能性も……!!」

「当たらない様にすれば良いんだよ!!」

焦った口調の岩村にグレイルは怒鳴り返し、栗山と共にギリギリまでセスナをひきつける。

「おらああああ!!」

「うおおおおおおお!!」

プロペラに向けてハンドガンとショットガンを撃ちまくると、上手く当たったのか機体が爆発しながら

突っ込んで来る!!

「おおっと!」

「危なっ!?」

そのまま突っ込んで来たセスナを2人は横っ飛びからの受け身でかわし、何とか危機は免れた様であった。



ステージ3:聖地でのラストバトル

エリア1

「御前達、何をやらかしたんだ?」

セスナが突っ込んだ屋台と民家を見て、暴動を治めた様子のウェズリーが

アランと共に戻って来てそう聞いた。

「俺達に危害を加えるつもりだったみたいだから応戦したらこうなった。

それよりも、この騒ぎは何なんだよ?」

栗山がウェズリーに聞くと、はぁっとため息を吐いてポツリポツリとウェズリーは呟き出す。

「VSSEにこんな情報が届いた。タイ王国で大掛かりな武器と麻薬の取り引きが

行われると。しかしその情報を頼りにタイまで来てみたらこの有様だ。これは俺達の

勝手な推測だが、この暴動は意図的に仕組まれたものかもしれない」


「え? 意図的って……」

思わず周二がそう問いかけると、今度はアランが続きを話す。

「要するに暴動で現地の警察や軍の気をひいて、その隙に取り引きを成立

させちまおうって魂胆じゃないかって事だ」

「ああー、と言う事はこっちの暴動はおとりって事だな」

納得した様に博人がポン、と手を打った。

「だが、肝心の取り引き場所が分からない。ワイルドドッグもファングも逃げちまった」

「まだ生きてたのかよ……」

かつて、そのワイルドと名前のつく殺し屋と遭遇した事のある橋本がうんざりした様に呟いた。

「何だ、そのワイルド……何とかって?」

「それは後で話すよ。で、肝心の取引場所の手がかりか……」

岩村の問いかけを橋本は軽く流し、手がかりの心当たりを頭で考える。

しかし、それに心当たりがあったのは孝司であった。

「……俺に1つ心当たりがある」

「え?」

「軍が出動しているとなれば、あそこの警備は緩くなる筈だ。あそこしか無い!!」

「お、おい……!!」

そう言って駆け出した孝司を追いかけ、他の8人も走り出した。


エリア2

「ここだ……ここなら今の情勢であれば目立たずにこっそり、そして大人数で

取り引きするには持って来いの場所だぜ」

そのままやって来たのは、ムエタイの聖地として知られているルンビニースタジアム。

女ではリングにすら上がらせて貰えないと言う、まさに聖地と呼ばれる陸軍運営の

格闘技スタジアムなのだ。

このスタジアムは毎日と言って良い程見物客で賑わいを見せているが、今はやけに

静かな場所と化していた。

「こんなに静かなのか? ここは」

「いや、むしろ毎日の様に活気がある場所だ。だから様子が変だぜ……」

ウェズリーの問いに孝司が答えつつ、9人はスタジアムの中へと進入する。


その時、入り口のドアがバタンと音を立てて閉まる。

「!!」

9人は一斉にバッとドアの方を振り向くが、その瞬間薄暗いスタジアムに一斉に

電気が点いた。

そして電気が点いた瞬間、9人は衝撃の光景を目にする事になる!!

「……やべぇ、伏せろ!!」

アランの声に他の8人は咄嗟の回避行動を取る。スタジアムの中では大量の

兵士達が、それぞれ手に武器を持って待ち構えていたからであった……。


アランとウェズリーは武器を持っているから良いものの、他の7人は武器等

持っていない。なので現地調達で行くしか無いのだ。

だからこそまずは体術でそれぞれ銃器を奪い、メンバーには絶対に当てない様に

それぞれが慣れない武器を使いこなして1人、また1人と敵を沈めて行く。

栗山は銃器を使い慣れているので彼が1番撃墜数が多いのは言うまでも無かったが。


エリア3

そうして取り引きグループを1人、また1人と倒して行く内に段々と銃器の扱いに

栗山とVSSEの2人以外も慣れて来たのだが、博人と岩村は素早い動きで

走り回る敵に苦戦していた。

「当たらない!!」

「くそ、このまま闇雲に撃てば他のメンバーに当たる可能性が……!!」

だがこんな事件に巻き込まれてしまった以上何としても仕留めたいので、なるべく

狙いをつけやすい様にスタジアムの観客席を上へ上へと上がって行き、そこから

上手くショット出来る様に持ち込むのだ。

そうして右へ左へと動くその敵に上手く狙いを定め、絶好のチャンスを窺う。


その敵が観客席の上段から下段へと飛び降りた瞬間、2人はマシンガンとショットガンの

トリガーをそれぞれ引き絞った。

どうやらクリーンヒットとまでは行かなかったものの、上手く仕留める事には成功したらしい。

「やったぜ!!」

「……だが、あっちはまだ苦戦している様だ」

ガッツポーズを繰り出す博人に岩村が冷静に呟くその視線の先には、孝司と周二が

マシンガンを片手に連射攻撃をして来る敵に苦戦していた。

しかもよくよく見てみれば……。


「あ、あれって……」

「くっそ、卑怯な!」

何と橋本がその敵に人質に取られているではないか。こうなってしまえば自分達以上に

簡単に銃を撃つ事が出来ないと言う光景がここからでも見える博人と岩村。

助けに行きたいがまだまだグループの敵は沢山居る様でそれも無理そうだ。

栗山もVSSEの2人も他の取り引きグループのメンバーへの対抗で一杯一杯である。

そんな橋本を人質に取られているのを見ている孝司と周二も迂闊に手が出せない。

「何とか……何とかしなきゃあ!」

「でもガードが固いぜ……」


もどかしさと他の敵への対処で精一杯で、なかなか橋本を助け出す事が出来ない……と

思われたのだが、ここで予想外の事態が起こる!!

「しゅっ!!」

そんな息の吐き方と共に、いきなり視界に入って来たのはそのマシンガンを持っている敵に

ドロップキックをぶちかますグレイル・カルスの姿だった。

「うおわ!?」

橋本はそのドロップキックの衝撃で一緒に倒れこんだものの、この絶好のチャンスを

逃さない様に素早くマシンガンを奪い取って、倒れ込んだ敵を蜂の巣にした。



「おかげで助かった、協力に感謝する」

「これで事件も無事に解決だ、サンキューな」

ウェズリーが腕を組みながらも感謝の言葉を述べ、アランがぐっと左手の親指を立てて

ニッと白い歯を見せた。

「こっちも大変だったけど、事件を解決出来て良かった」

「じゃあ俺達はホテルに戻るよ。もう流石に疲れたからな」

VSSEの2人と別れた7人のタイ旅行は、まだ後2日も終わらないのであった。



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