コラボTC小説第1弾

コラボTC小説第1弾


アリシア・ウィンストン

岸 泰紀(きし やすのり)…夢見の生霊

小淵 圭介(こぶち けいすけ)…ブリテンさん



この物語は、各登場人物のプロフィールから、4年前の出来事…2003年の話である。



~PROLOGUE~          〜終戦への第1歩〜

アランとウェズリーがこのアスティゴス島を去って、1週間が過ぎた。

まだ完全に平和が訪れたわけではなく、紛争は続いている…。

が、現在は観光客が来ることも許され、実際多くの観光客でにぎわっている。

今日来た岸 泰紀と小淵圭介も、それぞれその1人だった。


「はあー、やっとついたね…」

「ですねえ。噂には聞いてましたけど、やっぱり綺麗ですよね。ここ」

「それにしても、運が良いよな。懸賞に当たってペアで来れたんだから…」

「ですね。知り合ったのもちょうど1年前だって言うのに」

「そうだよねえ…。とりあえず、海いこうぜ、海」

「もちろん。海パンもバッチリですよ」

「ホテルの予約はその後で良いか…。車も空輸したしな」

「じゃあ、行きましょうか」

「おう」


2人は岸が知り合いから借りて来た、紫の日産・180SX(ワンエイティ)に乗り込み、海へと向かうことにした。

このとき、2人はまだ知るよしもなかった。

2人が壮大な戦いに巻き込まれていくということなど…。


~STAGE 1~        〜狙撃の名人、現る〜

AREA 1

「この辺りで良いかな。ちょうど人も少ないし。穴場って奴かもね」

「…にしては少なすぎるような…」

「いーから、いーから。気にすんなよ。とにかく泳ごうぜ?」

「…ですねーっ!」


2人が海パン姿になり、海へ入ろうとした・・その時だった!

「貴様ら、ここで何やってる!」

「「…は?」」

遠くの方から、1人の赤兵士が銃を構えてやって来た。

「ここはザゴリアス連邦軍の領土だぞ!!」

「マジかよ!? ちょっと、岸さん!」

「………!!」


しかし、岸は内心思いっきり震えていて言葉が出ない。

「き、岸さん!?」

「そこから動くな!」

兵士がどんどん近寄ってくるが、岸は足がすくみ、圭介はあっけにとられて動けない。


もう駄目か・・と思った、次の瞬間!!

「ぐおわっ!?」

いきなり銃声が響き渡り、それと同時に兵士の悲鳴が聞こえた。見てみると、兵士はぴくりとも動かずに地面に横たわっている。

「な、何が起こったんだ?」

「…さぁ?」


2人がぽかーんとしていると、遠くから誰かが駆け寄ってくる音が聞こえてきた。

「あなた達、ここで何してるの!?」

「え、い、いやその…ただ泳ぎに来ただけで別に…」

駆け寄ってきたのは、軍人と思われる女性。緑色の軍服に、茶色のグローブとブーツ。金髪を後ろで束ねた女性だ。

手にはスナイパーライフルが握られている。恐らく、これで兵士を撃ったのだろうか。

「あなた達、観光客?」

「ええ、そうです」

「…もうっ、ここは立ち入り禁止よ!! 早く出て行きなさい!」

「す、すいませんでした! 行こうぜ」

「ええ!」


2人が砂浜に上がり、着替え終わったその時だった。女性の後ろから、ゆっくりと1人の兵士が近づいてくる。だが女性は、全く気が付いていない!!

「あ、危ない!!」

岸はとっさに、側に転がっていた大きめの石を兵士に向かって投げる。一方の圭介は、考えるより先に身体が反応していた。

側に転がっている兵士の身体からハンドガンを奪い取ると、その兵士に向かって発砲した。

「ぎゃあっ!!」

石と銃弾は見事に兵士を直撃し、女性は助かった。


AREA 2

「あ、あなた達、助けてくれたの?」

「まあ…。危なかったから。な?」

「今…身体が先に動いちゃいました。人撃ったのも初めてだったし…」

「…とにかく、御礼を言うわ。ありがとう」

女性は圭介に対し礼を言った。

「いえいえ、どういたしまして」


すると、岸がこんな事を聞きだした。

「もしかして、軍の人?」

「ええ。でもそれがどうかしたの?」

「だったらさ…。あんたに協力させて欲しいんだ」

「な…!?」

「ええっ…!? な、何を言ってるの!?」

岸の言葉に、圭介とアリシアは目を見開いた。

「元々ここに来たのは、僕のせいなんだ。僕がここで泳ごうって言ったばっかりに…それに、あんたに助けてもらったし。だから…お願い。何か恩返ししないと!」

「でも一般人を、戦闘に巻き込むわけには!」


しかし、女性の言葉を遮るように圭介も女性にお願いする。

「俺からもお願いします。何か手伝わせてください!!」

その圭介の真剣な目に、女性ははぁ、とため息を吐いた。

「…わかったわ。でも、無理は禁物よ?」

「あ、ありがとう! あ、そう言えば自己紹介してなかったね。僕は岸。岸 泰紀だ。一応38歳。よろしく」

「小淵圭介です。15歳です。宜しくお願いします」

「ルカノ解放軍の、アリシア・ウィンストンよ。よろしくね」

女性はアリシアと名乗った。

「ルカノがもうすぐで、全て解放されるわ。気を引き締めて行かなくちゃ」

アリシアは軍用ジープに、岸と圭介は180SXに乗り込んで、その場を後にした。

圭介はさっきの兵士2人が持っていた、ハンドガンを2丁とも持って行くことにした。素手では辛いからである。


AREA 3

舗装されているまっすぐな道路を、2台はひた走っていく。アリシアは疑問に思っていることを言ってみた。

「あなた達って…親子なの?」

「え!? いやいやいやいや、親子じゃないよ。ただの知り合いだよ」

「そ、そうですよ!!」

「…そっか。勘違いしてごめんね」


順調に飛ばしていたが、道の真ん中に何やら人影が。そこに立っていたのは、大柄な男だった。

「ここから先は行かせないぜ。お前ら3人、ここでくたばるんだからな」

3人が車を停めて降りると、アリシアがまず男に反応した。

「おとなしくそこをどきなさい!」

「お前は一体何者だ!?」

「俺はベン。お前らをこの先に行かすわけにはいかないんでね」


だが、岸だけは全く空気を読まない発言をしてしまう。

「あのさー、初対面の相手にそこまで言われたくないよ。第一失礼だろ。どれほど自分が強いのか知らないけどさあ…。

僕達のことはもう良いから、さっさとどっか行ってくれないかな…。物凄い迷惑だから」


その言葉にベンの顔が変わる。

「何だと…?」

「だからぁ、物凄い迷惑だから、さっさと消えろって言ってんだよ!」

「てめえ…ひねり潰す!!」

ベンは顔に青筋を立てて向かってきた。


「!? …無理無理無理!!」

岸、いきなりテンパりモード。だが自業自得だ。殴りかかってきたベンのパンチを、必死でかわす。

意外にも、きちんと避けている…が、内心はパニックだ。

「ひいいっ!?」

「おらあっ!」

ベンのキックが岸の腹を直撃。岸は宙を舞って、地面に崩れ落ちた。

「ぐはっ…」

「岸さん!」

「とどめだあーっ!」

ベンは叫ぶと、何とアリシアのジープを両手で持ち上げた!それを見た圭介は思わず呟く。

「も、物凄い怪力だ…!」

(やべえ…死ぬ!?)

「くたばれ!!」


ベンがジープを投げようとする。アリシアと圭介も走り出すが、間に合わない!が、岸はその瞬間、とっさに側に転がっていた角材をベンの足下に向かって投げた。

角材は回転しながら、ベンの足を直撃。そんなベンは勿論・・。

「ぬおっ!? そ、そんな…!」

ジープを持ち上げたままバランス崩れると・・潰される。

ズウウンと音がして、ベンは軍用ジープの下敷きになった。それを見た岸が一言。

「ま、力だけあっても、注意力はなかったって事だよな」


奇跡の勝利で、何とかステージ1のボスを倒した岸。

「あなた、やるじゃない!」

「いやあ…まぐれだよ、まぐれ。じゃあ行こうか」

ジープが使えなくなったため、アリシアも180SXに乗り込んだ。海岸線に向けて出発だ。



~STAGE 2~          〜圭介の本領〜

AREA 1

海岸付近の舗装された道を、140キロで走る180SX。

「ちょっとちょっと…速すぎない!?」

「そうか?」

「そうですよ! もう少しスピード落としてくださいよ」

「…わかったよ」

仕方なく、80キロまで落とす岸。

だが次の瞬間、岸は何かを見透かしていたかのごとく後ろを見て呟いた。

「でも…今ぐらい出さないと、奴らに追い付かれるんだがなあ」

「「な!?」」

後ろを振り向いた2人の目に映ったものは、後ろから物凄い勢いで迫ってくる多数の物体が。

「じゃ、じゃあ早く飛ばしてくださいよ!」

が、岸の答えはNOだった。

「それも無理そうだぜ。ほら、前からも…」


岸が指さした先には、やっぱり軍用ジープ、バイクの嵐。

「な、何でそんなに落ち着いてるんですか!?」

「いいから…。アリシア、ちょっと危険かもしれないが…。窓を開けるから、ナビシートのドアの上にまたがってくれ。そこから銃撃してくれ」

「ええっ!?」

「それから圭介も、さっきハンドガン拾ったよな。僕の前から運転席のドアにまたがって、体出して銃撃していいよ」

「わ、わかりました!」


2人は言われた通りに、ドアから銃撃を開始した。

「おらおらーっ!! かかってきやがれ!」

「…覚悟は良いわね!!かかってきなさい!」

アリシアは前から来る奴らを、圭介は後ろの奴らを相手にすることにした。


AREA 2

2人は神業的なテクニックで、次々とバイクやジープを撃退していく。岸も横についてきたバイクに体当たりをかまし、海へとライダーを突き落としていく。

一通り敵を一掃した後、2人は辺りを見回す。

すると、後方からかなりの勢いで迫ってくる大型トラックの姿に、圭介が気がついた。

「は? トラック?」

トラックは180SXの横につけると、体当たりをかまそうとしてきた。

だが岸はブレーキを踏んで回避する。トラックは一瞬バランスを崩すものの、何とか立て直した。


すると、荷台から1人の男が現れる。すらりとした男だ。・・しかし、その手には何とロケットランチャーが握られている!!

「ふふふ…。吹っ飛べ、解放軍め!!」

ロケット弾を撃ち放つ男、ジェイムズ。間一髪で、岸は左にハンドルを切って回避した。

「あぶなっ!?」

「だったら…俺が…相手してやるぜ!!」

圭介は2丁拳銃をしっかり構え、トラックの荷台に向かって撃った。

それでもジェイムズも上手く避けてしまう。

「チッ!」

強い舌打ちと共に、空になったマガジンを2丁とも入れ替える。その間にジェイムズは、ウージーを取り出して180SXに銃撃してきた。

ぼつぼつと、180SXのボンネットに銃弾が突き刺さる。


「や、やめろぉ!! この180SX、借り物だぞ!」

…お前の問題はそっちか。


AREA 3

圭介は必死にジェイムズに銃弾を浴びせていく。ジェイムズと圭介の、激しい攻防戦が展開されている。

「くそっ、当たらねえ!」

「どうした!?その程度か!」

「ああ!? バカにすんな!! まだまだこれからだ!」

だんだんといらいらが募り、無駄撃ちをしてしまう圭介。


アリシアはそんな圭介に対して、アドバイスをする。

「落ち着いて!! 落ち着いて狙えば、きっと当たるわ!!」

その言葉を聞いた圭介は、我に返ると、ゆっくりと深呼吸する。

「そうだな・・落ち着け。落ち着いてやれば、きっと当たる」

両手をまっすぐに伸ばし、ジェイムズに向けて照準を合わせる。


「大丈夫。大丈夫だ…行けッ!」

2つのハンドガンから放たれた弾丸は、風を切って飛んでいく。それは迷い無く、ジェイムズの身体に吸い込まれていった。

「……こんなバカなことが…ぐはあっ!?」

ゆっくりとジェイムズは倒れ込み、衝撃でウージーが手からこぼれ落ちた。

「とどめに…もう1発喰らいなさい!!」

アリシアはライフルを構え、トラックのガソリンタンクを撃つ。それによりトラックは大爆発、炎上した。

ほとんどが圭介とアリシアの活躍(特に最後は圭介)で、ステージ2も幕を下ろしたのだった。


~STAGE 3~              〜立ちはだかる最後の敵〜

AREA 1

「凄いな。圭介って、銃撃の天才だな。アリシアにもひけは取らない気がしたぜ」

「いやいや、過大評価ですよ」

「…そうだ。これ、さっき中に飛び込んできたぜ?よかったらどうだ?」

岸が圭介に渡したのは、ジェイムズが使っていたウージーだった。

「あ、いいですね。でも…入れる場所がないな…」


すると、アリシアがあるものを差し出した。

「これとこれ…よかったら使って? 2つとも私が使ってたホルスターだけど」

「え!? い、いいんですか!?」

「勿論よ。あなた達のおかげで、幹部クラスを2人もやっつけることができたんだから」

「あ、ありがとうございます!」

圭介はそそくさと、アリシアからショルダータイプのホルスターと、レッグタイプのホルスターを受け取って装着した。

「よかったな、圭介。僕は銃器類は好きじゃないから、よくわからないけどさ」

「へへ…。あ、そうだ。これからどうするんです?」


圭介の問いに、アリシアは視線を前に戻して答えた。

「この先に、大きな海洋研究所だったところがあるの。兄が言うには、そこが最後の砦らしいわ」

「なるほど…」

「じゃあ、しっかりつかまっててくれよな?」

SR20DETがうなりを上げながら、180SXは加速していった。


AREA 2

時刻は既に、夕暮れ時になっていた。海洋研究所と思われる場所は、凄くボロボロになった所だった。

「こ、ここ、だよな?」

「ええ。行きましょう」

岸と圭介は戸惑いながらも、アリシアに続いて研究所に足を踏み入れる。

が、中はひどく臭かった。

「カビ臭っ!?」

酷いカビの臭いがする。恐らく、何年も前に使用されなくなったのだろう。

だがその圭介の叫び声に気が付いたのだろうか、兵士がわらわらと施設の奥から集まってきた。

「あ、やばいかも…」

「アリシアさん、やりましょう」

「もちろんよ!」


まずは圭介がウージーを発砲し、緑兵をなぎ倒していく。それに続いてアリシアも、ハンドガンで赤兵、工兵を倒していく。

一方の岸はと言えば・・。

「……」

黙って見守っているだけで、何の役にも立っていなかった。


そんな岸を尻目に、2人は敵を一掃し終えた。

「岸さん、次に行きますよ」

「ああ…」

奥のドアを開け、中にいる兵士を一掃していく。すると、いきなり手榴弾が転がってきた。

「はっ!?」

「危ない!」

2人は柱の陰に隠れて、爆発を凌いだ。だが逃げるときに、圭介の手からウージーがこぼれ落ち、

ウージーは爆発のショックで粉々になってしまった。

「やってくれるじゃねえかよ。そうこなくちゃあな!!」

ホルスターからハンドガンを引き抜く圭介。


…と、その時。前方から1人の男が現れた。

「よくここまで来たな。だが、ザゴリアス連邦軍はまだ終わってないぞ!!」

岸はその男に対し、なんとも緊張感の無い声で正体を問う。

「あんた一体…誰?」

「サミュエルだ。連邦軍の大佐だ」

「大佐ねえ…。べつにどーでもいいけど」


(((なら聞くなよ)))

サミュエル、アリシア、圭介が同時にそう思ったのは言うまでもない。


「あなた達の野望は、ここで終わりよ!!」

「それはどうかな?」

そう言うと、サミュエルと名乗った男はいきなり上半身裸になった。

「きゃっ!?」

「な…何をしてるんだ!?」

「あんた・・ゲイか?ゲイなのか!?」

約1名大それたことを言っているメガネの奴が居るが、あえて無視。

「ふふふ・・。ここでお前らを倒し、ザゴリアス連邦軍を復活させてやる!!」


AREA 3

サミュエルはショットガンを取りだし、発砲する。アリシアは素早く避け、圭介もテニスで培った横っ跳びで避ける。

「ゲイのくせに調子に乗ってるよな…あいつ」

そんな岸の発言は華麗にスルーされた!


2人は柱の陰からサミュエルに向かって撃っていくが、サミュエルは信じられないスピードで、圭介に向かって殴りかかってきた。

「あぶねえっ!!」

さっと避け、代わりに回し蹴りをお見舞いした。

「ぐほっ!! やるじゃねえかよ…」

一旦間合いを取り、ショットガンで再び2人を迎撃していく。


「動きに隙がないわね」

「俺もそう思いました。ここは二手に分かれて、奴を攪乱しましょう!」

「じゃあ私は左に行くから、あなたは右に行って!」

「了解です!」

「3、2,1,GO!」

かけ声と共に、2人は勢いよく飛び出し、サミュエルに向かって連射した。アリシアのハンドガンと、圭介の2丁のハンドガンが同時に弾を放った。

「…うぐっ!! ば、バカなっ…!」

サミュエルはどさりと崩れ落ちるが、まだ終わりではなかった。

「ふふ…。だが、俺と共にお前らもくたばれ!!」


何かのスイッチを取り出すと、ポチッと押したサミュエル。それと同時に、アナウンスが響く。

『このたびは私どもの自爆装置を利用頂き、誠にありがとうございます。

後10秒で、この研究所は木っ端みじんに吹き飛びます。逃げ遅れませんよう、お気をつけ下さい』

「えっ、なにそれこわい…」

「に、逃げましょう! 岸さん、アリシアさん!」

「ええ!」

3人は一目散に、出口に向かってひた走る。

「や…やべーっ!!」

(あぁああぁぁああぁぁぁあああぁあぁぁあああ!?)

「ハァ…ハァ…!!」

3人が出口を飛び出し、180SXに乗り込む。岸はエンジンをかけると同時に、アクセル全開!!

そして次の瞬間!

「うおっ…!?」

物凄い衝撃音と共に、海洋研究所は炎に包まれて炎上していく。


車を停車させ、3人は離れた場所でその光景を見つめていた。夕日に映えるように、炎上していく研究所。

それを見て、岸がポツリと2人に問いかけた。

「これで…全てが終わったんだよな? 見ろよこれ。まるで僕たちの活躍をたたえてくれてる、花火みたいだぜ」

「その通りですね」

「ありがとう…嬉しかったわ」

アリシアは思わず、2人の胸に飛び込んだ。そんなアリシアを、2人はしっかりと受け止めるのだった。


アリシアは2人を港まで送ることに。

「また遊びに来てね? いつでも歓迎するわ」

「うん。また時間があれば…。な、圭介」

「ですね。また来年の夏休みにでも、来てみたいですよね」

「じゃあ、私の仲間があなた達を船で日本まで送るわ。今すぐ帰れば、日本時間の日曜日の夕方頃にはつけるはずよ?」

「ありがとう。あ、でもこの圭介の2つの銃は…」

岸が困ったように呟く。


しかし、圭介はさらっと答えた。

「大丈夫ですよ。見つからないように上手く隠しますから」

「ふふっ、見つからないでね?」

「そっか…それならいいな。じゃあ、またな!」

「お疲れ様でした!」

「ええ、さよなら!」

その後アリシアは、2人が乗ったクルーザーが見えなくなるまで手を振った。これで、ルカノに本当の平和が訪れたのである。

アリシア・ウィンストン、岸 泰紀、小淵圭介という、3人の英雄の手によって。


〜fin〜


※車はクルーザーに乗っけて、一緒に日本へ持って帰りました。


〜後書き〜

蒸し暑い中書き上げました。

ブリテンさんの性格、こんなんでよかったかと心配です。テニスプレイヤーというのは、プロフィールからです。

負けず嫌いな感じが、出せてればいいのですが…。


2007,7,22 80スープラ


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