Traitor and Escape第8話(最終話)


「別に俺は構わないよ。シルビアはこのウラジオストックから船に載せて帰れるし」

でも、俺は事情聴取されるんじゃないのか? と聞いてみる。VSSEのエージェント達は

こうした色々な事件を基にして分析や情報収集が繰り返されて、演習として再利用されていると

聞いた仁史はそうした所からの疑問を抑えきれずには居られなかったのだった。

「あ。そうだ事情聴取。忘れてた」

エヴァンの態度に思わず頭を抱えるジョルジョ。

「なら……俺たちと一緒に来てもらってもいいか? 車は鍵を回収班に渡してほしい。後で本部に届けておく」

もうすぐここにも来るはずだ、とジョルジョは下を見やる。回収班と思われる人影が建物に

ぞろぞろと入ってきていた。


「ああ、分かったよ・・・・ああそうだ。ロシアの食い物も良いけど、俺・・・日本から色々食料持って来てあったんだ。

俺のバッグはさっき御前達が取り返してくれたみたいだし、何か食いたい物はあるか? ある物でだが」

仁史がそう言うと、エヴァンがさっと手を上げる。

「そういえば俺あれ食べたい、カニカマ」

「へえ、フランスにもカニカマってあるのか」

「マヨネーズ付けて食ったり、フライにしたりとか、あと塩ケーキにも入れるぜ」


むん、とエヴァンが胸を張って答えるが仁史はきょとんとした顔をする。

「えっ」

「えっ」

「塩…ケーキ……???」

「えっ…日本でもそういう風に食べてんのかと」

「食べない・・・ぞ? せいぜいサラダに入れるくらいだ」


論より証拠とばかりに、仁史はカニカマの真空パックをバッグの中からガサゴソと取り出す。

「ほら、これが日本のカニカマだ」

「えっ……これカニカマじゃなくてカニだろ?」

疑いながらもエヴァンがそれを開けて口に入れてみる。ご感想は?

「………カニじゃんこれー!?」

びっくりするエヴァンに仁史は冷静な口調で返す。

「カニじゃない、カニカマだ。ていうか、そもそもフランスのカニカマってどんな物なんだ?」


仁史に問いかけられたエヴァンは、何処と無くあたふたしながら答える。

「えー……もっと固くてカニの味少な目の…こんな「カニ!」って感じのやつじゃないぜ…」

そしてその横からアランが凄い事を言い出して来た。

「狸うどんなら、狸の肉がうどんに入ってるんだろ!?」

そんな疑問にも仁史は冷静に、そして呆れながらの回答を。

「絶対違う」

エヴァンは仁史のその回答に対して、ポツリとこんな事を呟いた。

「えっ、狐の肉とか入ってるからきつねうどんじゃあないんだ……」

「それも違うぞエヴァン。後、おかめうどんにはおかめちゃんなんて入って無いからな」

「えー・・・・」

超真顔の仁史の回答に、エヴァンは呆気に取られた顔をするしか無かった。


「ちょっとあんたたち!いつまで話しこんでるの!」

いつまでも来ないことに痺れを切らしたキャサリンが声を上げる。

と、ちょうどいいと言うべきか、VSSEの回収班が屋上に到着したようだ。

ジョルジョがキャサリンに事情を説明しに行き、ウェズリーが回収班の一人を伴って仁史のところへ戻る。

車の鍵を引き渡し、仁史もエージェントたちもやっとヘリに乗り込み、本部へと帰還するのだった。




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