Resistance to the False Accusation第20話(最終話)


「はぁ……はぁ……はぁ……」

「ふーっ、ふーっ、ふーっ……」

クレガーとアルツはお互いに荒い息を吐きながら、相手を見据えて武器を構える。

恐らく次の攻撃で最後になるだろう。一拍置いて2人は同時に駆け出した。

「やあああっ!」

「おらあああっ!」


クレガーが槍を振るうが、アルツはその槍の下を潜って回避。

そのまま起き上がって振り向き様に剣を薙ぎ払うが、それをクレガーは

しっかりガード。

そのまま力を込めて剣を弾き、隙が出来た所でアルツの心臓目掛けて

槍の先端を突き刺した。


「おがっ!? あっ……」

心臓を突き刺されたアルツをそのまま岩壁へと押しやり、更に深く突き刺す。

「ぐっ……」

そしてそのうめきが、アルツの最後の言葉になった。

(お、終わった……)

槍を引き抜き、血を払うとアルツはずるりと地面に崩れ落ちた。

これでクレガーのバトルも決着が着いたのである。



数日の後、クレガー達はヴィーンラディの王城へと帰還した。

「良くやったぞ。これで国内の不穏分子を一層できる」

ひざまずくクレガー達の前で、エルシュリーが彼等の功績を称えた。

「勿体無きお言葉です、陛下」

クレガーがそれに答えると、次にエルシュリーからガラムとシェオルに

伝えたい事があるらしく、彼等2人の方を向いて口を開いた。


「それとシェオル……だったな?」

「は、はい!」

「私達は、御前の今回の功績を称えて昇進を認める」

「えっ!? そ、それは……」

まさかの国王からの言葉にシェオルだけでは無くガラム、ピエール、

そしてジェラルドの表情も一気に驚きの物へと変わった。


「王国騎士団第16部隊の小隊長に任命する。これからも国の為に尽くしてくれ」

「あ、ありがとうございます!」

「それとガラムについてだが……」

自分にはどんな裁きが下されるのだろう、と内心ドキドキのガラムだったが、自分に下された裁きの

内容はとても意外な物になった。

「御前には、王国騎士団に復帰して貰う」

「え!?」

「今回の件についてだが、不問とはしない。代わりに御前の行動を監視すると言う名目で騎士団に

戻って来て貰う。そうすればもう薬草の栽培は出来ないからな。それから今回の事件の犯人

逮捕にも協力してくれた。ピエールの副官として貢献してくれ」

「あ、ありがとうございます、陛下ぁ……っ!!」

と言う訳でガラムはこの件で王国騎士団に復帰する事になり、元々長を務めていたギルドには

たまに顔を出している。その他にクレガーやヴェンラトースにも勲章が与えられる事になり

ここに1つの王国に起こった事件が幕を下ろしたのである。

この騎士団員達の活躍によって、王国の危機は未然に防がれたのであった。



Resistance to the False Accusation 完


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