「理解、出来ないな」
二人だけの秘密
「いきなりそんなこと言うお前の頭の方が理解で……」
「そうじゃない!!」
二人で新しいミッションを任され、その場所へ向かう間だった。
「じゃぁ、何が理解出来ないんだ?」
「…この任務自体だ」
「…俺達みたいなエージェントに依頼する前に本部も確認はしている。ガセなんてことはねーだろ。」
「じゃぁ、何でひとっこ一人いないんだ?」
「それは………」
ウェズリーの指摘にアランは珍しく黙ってしまった。何か考える素振りをしてはいたが、顔は笑っていた。
「言いたいことがあるならー……」
「一回VSSEに連絡とった方がいいんじゃねぇ?」
「…あぁ、わかった」
相方の笑みが気には食わなかったが、そちらの方が早い…とポケットから携帯を取り出して話し出す。
「あー…暑いなぁ」
アランはポツリと呟くと、周りに広がる広大な湖に一歩足を沈めた。
「綺麗…だな」
靴を脱ぎ捨てズボンの裾を捲り、足を深く踏み入れた。
「…そうですか。……はい、そうさせてもらいます」
ウェズリーは、ふぅ…と溜息をついて携帯を閉じた。そして、アランに伝えようと彼の方に振り向いた時だった。
バシャッ!!
「ッ……!!」
「な?ウェズリー気持ちいいだろ?」
ウェズリーの服と髪は濡れていた。
「……………んの馬鹿が!!」
大きな一歩でアランに近付くと、手を彼の頭に置いて思いっきり
押してやった。
しかし、アランはにやりと笑うと、その手をとり一緒に引きずり込んだ。
「ッお前!!」
バッシャーン!!
「……………」
「ハハッ、そんな顔すんなよウェズリー。気持ちいいだろ?」
「…一回死ぬか?」
湖に浸ってしまった銃をとって相手に突き付けるも、意味はなさなかった。
「携帯も、銃も使えない…か」
ウェズリーは、溜息をついて湖から上がろうとした。
「ウェズリー」
「…何だ?」
「どーせ任務じゃないんだから、もう少し遊んで行こうぜ」
「ッ!まさか、お前初めから……」
「任務ばっかじゃ、やってらんないだろ?」
やられたという疲労感と、騙されたと言う怒りはあったがそれよりも、自分の事をあんじてくれた相手への気持ちの方が勝っていた。
「ま、今日くらいは付き合ってやるよ」
溜息を付きながらも、ウェズリ−はアランに微笑んだ。
後日。
「う……何だよ、この請求書」
「お前のせいでパァになった銃と携帯代だ」
「な…俺のせいかよ!?」
「お前のせいだ」
「ったく、あんなことしなきゃ良かったな」
「………………」
「!!……素直じゃない奴」
アランに渡された紙の裏には『ありがとう』と書かれてあった。
90チェイサーさん!!
大変遅れてしまって申し訳ございませんでした!!
…しかも、あまりリクエストにそえてない感が募ります。
ほんとにすみませんでした。こんなものでもよろしければ
持っていって下さい!
遅くなってしまいましたが、HP開設おめでとうございます!!
2人のそれぞれパートナーに対する優しさがしっかり描かれていて、とても良い小説です。
だましたアランも、請求書を突きつけたウェズリーも、彼らなりの優しさなのでしょうね。
私も負けないように、頑張って執筆していきたいと思います。
蜜柑さん、ありがとうございました。