Future World Battle第2話


「……!?」

突然、1発の銃声が銀行内部から聞こえて来た。それから悲鳴も僅かに聞こえて来る。

「何だ、どうした!?」

その瞬間、ニコラスは何故か物凄く嫌な予感がした。そしてその予感は見事に当たってしまう。

何と、彼の元に駆け寄って来た警官から聞かされた情報によれば……人質が

1人射殺されてしまったらしいのだ。

「何だと……人質が!?」

まさかの事態に唖然とした顔つきになるニコラス。しかしこのまま突入すれば犯人グループを

刺激してしまい次の犠牲者が出てしまう危険性も十分に考えられる。


それでもすでに人質が1人射殺されていると言う状況からしてみても、これ以上の犠牲を

増やしてはいけないと言う事で、ここは強行突入をした方が言いと言う意見が出て来ていた。

ニコラスは巡査部長ではあるが、この状況下で指揮を取っているのはもっと上の人間なので

彼に指揮権は無い。

だからこそ、人質が解放された時の保護や犯人達の身柄拘束位しかここで彼にはやる事が無いのだ。

そして、未だに犯人グループからの要求が無いのも全く持って意味不明だ。

「おい、犯人達からの要求は出たのか!?」

周りの警官達に聞いてみても、全くその様な情報は出て来ない。

もしかしたら犯人達の狙いは金では無く、もっと別の所にあるのでは無いか?


そんな事をニコラスが考えていた矢先、また1発の銃声が響き渡るのだった。

「なっ、ま、まさか!?」

そう、そのまさかでニコラス達警察が包囲する中でまた1人の人質が殺されてしまった。

「何て事だ……これはもうなりふり構っていられない。突入するべきだと俺は思う!」

その思いはどうやら指揮を取る人間も同じだったらしく、ついに正面玄関と裏口から突入作戦が開始された。

一斉に特殊部隊が銀行の中へと突入して行く中で、ニコラスもコートの下のショルダーホルスターに

収まっている愛用のハンドガンのグリップをギュッと握り締めて何時でも抜ける様にする。


だが、そんな時に事態は急展開を迎える事になる。

何と警官隊が突入して行ったまでは良かったのであったが、その後になかなか銃撃戦が収まらない

どころか中の様子を無線で聞いている限りでは警官隊が劣勢になっているらしい。

更に、その警官達の突入を跳ね除けて強盗達が銀行の外へとやって来てしまった!!

「くそっ……!」

まさかの事態にニコラスも愛用のハンドガンを引き抜いて応戦。銀行周辺は瞬く間にバトルフィールドと化した。

これでもニコラスは署内の射撃大会で総合5位に入った経験も持っている。

でも相手も突入して行った特殊部隊を跳ね除ける程の戦力を持っているので絶対に油断が出来ない。


ひとまず、自分が今乗って来た防弾仕様のパトカーであるマスタングの陰に隠れつつ犯人達に応戦。

他の警官達も奮戦しているらしい上に、外に出て来たら圧倒的な人数差がその不利な状況を覆して来た様で

1人、また1人と強盗グループのメンバーが倒されて行く。

そしてニコラスを含めた何人かの警官達は裏口の方へと回る様に指示を出された。

どうやらそちらからも逃げようとしている強盗グループが居るらしい。

だったらその前に先回りして止めてやる、と言うオーソドックスな戦法を取る為にニコラスは指示に

従って作戦通りに他の警官達と共に裏口の増援に回る。

勿論最初に銀行に警官達が駆けつけた時に裏口も包囲済みだったのだが、劣勢になって来た時から

裏口の雲行きも怪しくなって来ていたらしい。


だからこそこうしてニコラス達が増援として裏口へと回りこむ事になったのであったが、どうにもこうにも

事件は解決しそうに無い。

意外とこの強盗グループは強いらしく、警官隊でも制圧出来そうで出来ない状況が続いている為だった。

(このままじゃまずいんじゃ無いのか!?)

状況が長引けば長引くだけどちらにとっても不利になる事は目に見えている。だからこそ警官隊も

強盗団も、どっちも早くこの事態を終わらせたいと言う気持ちは一緒の筈だ。

そしてそんな気持ちを持った強盗団のグループの一部が、ついに裏口を突破して来た!!


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