Shutoukou Express and Kaido Runners vs Stomers第5話(最終話)


「で、貴方達はそうして日本から来て、病院まで怪我人を運んだって訳ね」

「するとあのトランザムを止めなければいけなかった訳だな……すまなかった」

「あんた達は人助けをしていたと言う訳だけど、初めてのこの街で土地勘が無いのに

大きく派手に動くのは感心しないぜ?」

「そうそう、こう言う時は地元の警察と救急車に任せるべきよ」

「まったく、世話の焼ける奴等だ」

「……そう言えば、皆さん結構御歳を召してらっしゃるんですね?」


拓也、山本、隼人の3人は今、キャロラインシティのダウンタウンに事務所を構えている

ハートマンと言う私立探偵の元にやって来ていた。

日本人の3人以外には、山本が強引にストップさせられたあのFR−Sの

ドライバーである金髪の男のソール、その相棒の黒髪ドレッドヘアーの大柄な体躯の

ゴードン、拓也が追い掛け回されていたC4のドライバーで東洋系の黒髪女のホープ、

その相棒の赤髪の落ち着いた雰囲気の女でディアナ、この私立探偵事務所のオーナーで

元刑事の経歴を持っている頑固オヤジのイメージがぴったりなハートマン、そのハートマンの

助手を務めている金髪童顔女のクララの6人が居る。


拓也と隼人はあの後、結局C4の2人と一緒に病院まで辿り着いて怪我人を助ける事に成功。

それから山本の方は一旦はFR−Sを振り切る事に成功したのであったが、その後に隼人から

連絡を貰って病院まで行った後にFR−Sのソールとゴードンに再会。C4のホープとディアナも

ソールとゴードンに連絡を貰っていたと言う事であった。

そして現在は、その4人の知り合いだと言う私立探偵のハートマンとクララのコンビの元へと

案内されてこうして今までの状況を説明していたと言う訳だ。


「君達がストーマーだね。このポスターに描いてあるよ」

そう言いながら隼人が、剥がして持って来たあの時見かけたポスターを渡す。

「でも、何で俺達を追い掛けて来たんだよ?」

素朴な拓也の疑問に答えたのはまずソールだ。

「いやぁ、何か只ならぬ雰囲気だったからさ……」

ポリポリと小指で頬を掻くソールの横で、ホープは拓也に口を開く。

「事故現場の近くに居て、様子を見に行ったら貴方達があの怪我人を連れ出すのが見えたから、

これは何とかしないとなって」


そんなストーマー達の言い分を聞きながら、山本は履いている黒いジーンズのポケットから

1枚のメモ用紙のページを取り出した。

「これ、取り逃がしたファイヤーバードのナンバーの記号と番号。これがあれば手がかりには

なるんじゃないのか?」

それを受け取ったハートマンはクララに指示を出す。

「市警に電話だ。それから傷ついたレビンの修理の手配もしておけ」

「はい、先輩!」

元気の良い返事をしつつ、クララはオフィスの電話の1つで連絡を取り始めた。

「世話になったな」

「まぁ、な。でも本当に俺のハチロク、直してくれるのか?」


疑問を浮かべる山本にハートマンが頷く。

「ああ。聞いた話によれば明日、この街の会社でパーツのテストがあるんだろう? 俺達は

4年前からこの街に済んでいるから腕が良くて明日の朝には仕上がる修理屋も知っている。

その辺りは地元の俺達に任せておけ」

ハートマンは口の端に笑みを浮かべつつそう答えた。

「あ〜〜〜〜、これでようやく終わったって感じかな」

「僕達もそろそろホテルに戻りたいんだけど良いかな?」

「ああ、そうだったな」

「それじゃあホテルまで先導するわね」

ソールとホープに促され、安堵の息を吐いた拓也とホテルに戻りたいと提案した隼人、そして

レビンの修理を依頼した山本はまずレビンを修理屋に預けてからホテルへとホープとディアナの先導で

戻って行く事になるのであった。


そして翌日。無事に直ったレビンを引き取ってパーツメーカーとの開発テストも夜までかかってようやく

終わった日本の3人は、今度はソールとゴードンの先導で夜の空港まで辿り着いていた。

「そう言えばあのファイヤーバードは捕まったのか?」

「ああ、あいつは薬物乱用者だったらしくてかなり危険な奴だったそうだ。市警も協力してくれて

助かったって言ってたぞ」

山本の疑問にゴードンが嬉しそうに答え、これで最後の不安も解消された。


「あの怪我人ももう大丈夫って話だし、またキャロラインシティに来る時は連絡くれたら迎えに行くぜ」

「そうか、それは助かるよ」

「それじゃあまたな!」

ソールの報告を聞いて安心した隼人、別れの挨拶を述べた拓也、そしてレビンが無事に戻って来た

山本の3人はストーマーコンビとがっちり握手を交わし、空輸の為に車を預けた後に日本行きの

飛行機に乗るべくキャロライン国際空港の中に向かって消えて行くのであった。




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