A Solitary Battle High Speed Stage第7話


3つ目のポーズはヘビのポーズである。ヘビのポーズは横から見ると物凄く下から

上に身体が反っている柔らかさ満点のポーズ。このポーズの使い道を先に言っておくと、

最初に道場に入る時に祈りを捧げる道場礼拝と言う儀式をしなければいけないのだが、

その時に使われるポーズの1つだ。それから剣と盾を使った練習の時に、相手と一緒にヘビの

ポーズをして盾と盾をお互いに合わせる時にヘビのポーズを使う時がある。

それから腕をロックするテクニック(関節技)がカラリパヤットには存在しているのだが、

その関節技をかけられる前に(かけられてからでは抜け出せなくなるので遅い)ヘビのポーズの動きで

そのロック技から抜け出す事が出来ると言う寸法だ。


ヘビのポーズのやり方についてだが、まずは馬のポーズと同じ歩幅にする為にどちらかの足を

目一杯後ろに伸ばして片膝立ちのポーズから土踏まず側が地面になる様に90度に曲げる。

ここまでは馬のポーズと同じで、手はいつもと変わらずに両手をそれぞれ反対側の耳にくっつけたままだ。

膝は地面から徐々に離していき、まっすぐ伸ばした状態にしておくのも馬のポーズと変わらない。

つまり足のポーズは馬のポーズの時と何も変わりが無いのだが、ヘビのポーズはここからが違う物になってくる。

馬のポーズでは耳にくっつけていたそれぞれの両手を下に下ろして前に出している足の横に並べて地面に

くっつけていたのに対して、ヘビのポーズではまず両手の平を合わせる。


次にそのまま斜め上に向かってまっすぐ両手を突き出しつつ、背中も自分の限界まで反らしながら顔は少し斜め上を

見る様にする。つまり伸ばした両手を顔全体で見る様にする事で、自然と背中の反り方もついて来る事になる。

これがヘビのポーズになるのだが、ここから身体をターンで180度、270度、180度とそれぞれ向けて4つの方角に

ある神に祈りを捧げる事もしたりする。

180度のターンをする時はまず腕をクロスさせて両手を耳に当て、上体だけを起こして足はそのまま。そこから右手を

頭の後ろに持って行き、左手は右の肩に当てておく。次に上半身全体を前に倒しつつ右手を頭の上から下に

持って行くと同時に左手を肩から離して、両足をそれぞれ一緒にかかとを使って反対側にターンさせる。

その足のターンと一緒に前かがみになった頭を身体の内側に入れて股の間から後ろを見つつ、両腕を顔の前でクロスさせておく。

そして180度のターンをして、手をもう1度合わせてから腕を斜め上にまっすぐ上げ、顔も斜め上を見れば終了だ。


270度のターンは最初に、後ろに伸ばした足に前の足を移動させて足を一旦閉じ、そこからまた足を後ろに伸ばして

180度のターンをする。この時に、最初の後ろの足は馬のポーズと同じで90度の方向を向いているので、前に出している足を

90度に曲げたままの後ろの足にくっつける事になる。つまり最初の時点で90度のターンが終了し、そこからプラス180度で

トータル270度のターンが完成するのだ。

ヘビのポーズでは腕と上半身を斜め上に向ける事によって胸と背中のストレッチになるし、前にバランスを取る必要があるので

太ももの裏側を両足ともに鍛える事が可能になるのだ。

下手にスクワットをするよりかは簡単で、尚且つ効率良く足の筋肉を鍛える事が出来るし上半身の姿勢も自然とまっすぐに

伸びる様になって身体全体の姿勢も段々良くなって行くのがヘビのポーズのトレーニングであると言えよう。

最初は無理に斜め上に向けようとしなくて良いし、ターンの時も出来るだけで良いので頭を屈め過ぎない様に注意するのが

ポイントである。そして慣れて来たら胸と背中と手の位置、それからターンの時に自分の限界まで上半身を屈ませてみよう。


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