A Solitary Battle High Speed Stage第15話


馬のポーズを行ったらここからイノシシのポーズに移行する事も出来るし、

一旦起き上がって再びニワトリポーズからキックをする事も出来る。

更には足の位置はそのままで後ろに起き上がって上半身を反らせて背中から

腰をストレッチつつ、両手を思いっ切り平泳ぎの要領で広げる。そこから最初に

やった相手の後ろに回り込む動きと同じ様な感じで、今度は重ねた両腕の手を握り、

右足を前に大きく出しつつ起こした上半身を前に突き出せばダブルのパンチが可能になる。

一連の動きで、まずは相手にジャンプしながらのキックをお見舞い。

そこから馬のポーズに持ち込んで相手の攻撃を回避し、回避した所で上半身を一旦後ろに

反らす事で勢いをつけ、ダブルのパンチを相手のがら空きの腹やみぞおちに叩き込む

コンビネーションテクニックのトレーニングにもなるのだ。


そうしてパンチを叩き込んだら右足が前に来ているので左足でさっきの膝蹴りを続けて叩き込んでも

良いし、パンチでふらついた相手に更に容赦の無いパンチのラッシュを打ち込んでも良い。

トレーニングの際はここからまた色々なポーズをやり、大体の場合はストレートキックの後に

今度は左手を右肩に当てて右手を前に突き出すパンチのポーズで足は馬のポーズの歩幅、

その次に身体を少し起こして右手を一旦移動させて頭の後ろから持って来るヘビのポーズで

方向転換し、方向転換した所で腕は上げずにいつもの耳をガードするポーズをしながら左足を上げ、

右回りのターンをして左足を大きく前に出し、右足も大きく後ろに開いて限界ギリギリまで出来るだけの

前後開脚。そして少し起き上がって前後の足を入れ替えてもう1度開脚をし、起き上がって終了となる。


こうしてメイパイヤットのトレーニングが終了となるのだが、このメイパイヤットは道場のスペースの問題もあって

ストレートキックのポーズからターンをして馬のポーズに持ち込み、また元の場所に戻ると言う往復トレーニングを

大体3周から5周位する。馬のポーズの後はニワトリのキックポーズから入る事が多いものの、そこからイノシシの

ポーズをしても良いしやっぱり一旦起き上がってストレートキックのトレーニングを再びチャレンジしても良い。

とにかくこのメイパイヤットは一連の連続するポーズでのトレーニングを通してコンビネーションのトレーニングになる他、

自分の苦手なポーズや得意なポーズが分かる物なので得意な部分を伸ばしたり苦手な部分の克服にも使えるし、

連続した動きを繰り返せばそれだけ疲れに慣れる身体を作る事が出来てスタミナもアップする。


他にも、まずは斜めに身体を向けて後ろの足を曲げてバランスを取った状態から、1歩前に後ろの足を踏み出し、

大文字のアルファベットの「D」を意識してストレートキックをし、振り下ろしながらもう一方の足のかかとで身体を

素早くターンさせる「ターンキック」と呼ばれる物もあれば、ストレートキックとやり方は一緒だが自分の反対の肩目掛けて

足を振り上げつつ、顔は蹴った方の足とやや反対側を向いてバランスを取る斜めへのキックもある。

この様にして様々なキックと動物のポーズを組み合わせるメイパイヤットのトレーニングが終わり、最後に前後開脚から

起き上がったニールは目を閉じて瞑想をする。

(……身体はまだまだ大丈夫そうだな……)

そうして精神を統一させ、目を開けたニールは頬に風を感じた。

……何故か見渡す限りの雄大な景色が広がっている、固い岩の崖の上で。


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